コラム

コラム036|塀のデザインは、建物と一体的に計画を

何のために塀を付ける? 住宅を建てたときに、敷地境界に沿って塀を建てることがあると思います。隣地との境界を明確にして、誰でも勝手に入ってこないためにも必要となります。近隣のコミュニティが緩やかに繋がっている地域の場合は、物理的な境界線と言うよりも、プライバシーを守るための緩衝体としての役割があります。 郊外の事例 田園の二世帯住宅では、道路拡幅による建て替えで、交通量が増加することが予想できるため、子供たちが安心して遊べる庭を道路から遠ざける必要がありました。塀が取って付けたデザインとならないように、塀を建物の壁面ラインの延長線上に設けたり、住宅の外壁杉板張りと同じ素材で作っています。 また、塀をずらしたり、角度を振って塀同士に隙間を作り、田園地帯の地域住民の緩やかなつながりが途切れないように、そこから人が自由に出入りできるようにしています。 板塀の途中にある縦格子は、住宅のガラス張りの階段室(上の写真の建物のくびれた部分)の延長線上にあります。階段を上下するときに、縦格子の隙間から敷地の外が見えることを意識しています。 まちなかの事例 石...
コラム

コラム035|直感力で答えを見つけ出す

最初の直感が大切 人との出会いや、お気に入りのものなど、いろいろ検討した結果第一印象で気に入ったものに戻ってくることは良くあることですね。 設計でも、最初の提案から打合せを重ねるうちに計画案が変更していきますが、最終的に第一案に戻ってしまうことも良くあります。建築の設計は、クライアントの要望や法的な条件を、ただ単に積み上げてできるものでは無く、さまざまな条件から問題点を見つけ出す作業でもあります。その最初の直感で出した案が最終的に気に入ってもらえると、出した答えが正しかったと嬉しくなります。 末町の家のリノベーション 要望をうかがって、最初に出した提案のスケッチです。和室の続間と洋間のダイニングキッチンがある一般的な木造住宅のリノベーションですが、壁面や家具のパネル化によって要素を単純化し、現代の生活に合うようにスッキリとした空間にしました。大きな間取り変更をしないで工事費も抑える提案です。 提案スケッチの右上のLDK部分です。造り付けソファーは無くなりましたが、ほぼ計画通りになりました。 提案スケッチの下の図をキッチン側から見た写真です...
掲載

タニタハウジングウェア(雨樋)の施工事例に掲載されました

ガルバリウム製の雨樋は、一般的な塩ビ製の雨樋よりも値段は高価ですが、素材の質感・耐候性などに優れています。最近の設計事例には、ほとんどガルバリウム製の雨樋を使用しています。今回も、メーカーのサイトに掲載してもらいました。 ・東山の家2 今までの掲載事例 ・尾張町計画 ・桂町会館 ・南砺市の家  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
業務日誌

竣工図の製本ができました

建物が竣工してから、だいぶ時間が空いてしまいましたが、ようやく「東山の家2」と「末町の家」の竣工図の製本をしました。本来は、建物完成後に速やかに作成するべきですが、連続して次の業務を行っていたため遅れてしまいました。 一般に図面といわれる「設計図」は、設計者が作成し、施工者が見積と工事を行うための図面です。工事中には、施工者や専門業者が実際に製作するために必要な寸法図や製作図を作成します。これが「施工図」といわれる図面で、細かい納まり寸法や、使用部品の品番など明細に記入したものです。「竣工図」とはこれらの「設計図」や「施工図」を実際に施工した通りに反映させた最終図面のことです。 設計図、施工図を含めた最終竣工図は、「東山の家2」(木造2階建ての新築)で約125ページ、「末町の家」(木造のリノベーション)で約45ページの図面になりました。 設計図に関する訂正は、設計者の責任において自ら図面を直します。といっても、設計時に納まりや仕様部材はほとんど決めてあるので、部分的な訂正や決定した色番号などを追記するだけで済みます。設計図の訂正も施工者に任せてしまう設...
掲載

オンラインマガジンhomifyに掲載 東山の家2

ドイツを拠点に、各国に建築・インテリアのオンラインマガジンを発信するhomifyに「東山の家2」が掲載されました。 準防火地域の玄関に、木製建具と板張りの壁を使う工夫を記事にしてあります。 安全なだけじゃない!防火構造のシンプルでお洒落な和の住まい  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ 関連記事 こちらもご覧ください コラム目次
コラム

コラム034|玄関・アプローチの照明

玄関やアプローチを照らすための、外部空間に配置する照明器具はどのようなものが良いのでしょうか。 木造の軒裏を美しく見せる 木造住宅の大きく跳ね出した軒下空間は、内部空間と外部空間を繋ぐ中間領域として、日差しを遮ったり、雨宿りをする機能的な役目を持っています。この空間を夜も魅力的に見せるために、外壁に全方向に光が広がるブラケット照明をつけることによって、軒裏に光が広がり規則正しく並ぶ垂木の陰影がきれいに浮かび上がります。 桂町会館では、奥行1.2mの軒下空間を幅23mにわたって照らすことによって、対面する公園に灯りを提供しています。 南砺市の家では、玄関までのアプローチ空間の軒裏を照らし、奥まで誘導します。 八幡の土蔵では、蔵を覆う屋根が浮かんで見えるように、軒裏全体をライトアップしています。 囲まれた空間には光を溜め込む 囲まれたフラットな天井の玄関ポーチでは、ダウンライトを天井に埋込み、囲まれた空間全体に光を溜め込むように配置します。 アートギャラリーの尾張町計画では、伝統環境保存区域の街並みに無用な光が...
コラム

コラム033|玄関の庇もデザインの一部

玄関の庇の必要性は シンプルな箱形の建築に、申し訳程度の薄い庇が付いただけの玄関はスッキリとした建物のデザインになりますが、毎日の生活で不自由はないでしょうか。玄関は、人や物の出入口なので、内部空間と外部空間の接点となり、玄関ポーチはその接点で緩衝地帯となる部分です。北陸地方では雪や雨の天候が多いため、庇のある玄関ポーチは大切な空間です。 庇や玄関ポーチの出っ張りが、取って付けたようにならないように、ポーチの庇を屋根と一体化して、建物ボリュームを削った屋根の下を玄関ポーチとすれば全体の形態を崩さずに計画することができます。ゆったりとした大屋根の下から玄関に入るのは安心感があります。 東山の家2では、ポーチの庇と隣地側の防火袖壁を一体させて、L型に連続した先端を亜鉛メッキの細い鉄骨で縁取りして、シャープな見掛りとしています。薄く見える先端から建物ボリュームに食い込み、より深い庇の空間をつくっています。 郊外に建つ住宅の場合、周りに風を遮るものが少ないため、田園の二世帯住宅では玄関ポーチを壁で囲い、開口部の隙間から入るようにしています。囲...
コラム

コラム032|玄関に入って迎えてくれるものは

視線を集中させる場所をつくる 住宅の玄関戸を開けて入ったときに、一番最初に見えるものは何でしょうか。マンションの間取りのように長い廊下が、奥まで延びているだけだと味気ないですね。玄関から建物奥の様子が伝わってしまったり、廊下に面してトイレがある場合など玄関先に来客がいると困ることもあります。 田園の二世帯住宅では玄関を入ると、廊下は左右に伸びてそれぞれの部屋をつないでいます。玄関正面の中央部分の壁を他の部分より少しへこませ珪藻土の色を変えて、飾棚となる板を床面近くに設置しています。花や季節の飾り物を置ける、小さな床の間のような仕掛けです。 南砺市の家でも、正面の壁に、和紙貼りの壁の色を変えた小さな窪みをつけて飾り棚としています。壁の厚みの、ほんの少しの奥行きを利用しています。こちらも玄関に対して横方向に広がる建物のため廊下は左右に伸びています。このように、視線を引きつけるような仕掛けを「アイストップ」といいます。散漫となる空間にまとまりを与えることができます。 間口の狭い敷地で、奥に長い建物の東山の家2では、玄関に入ると正面に白い壁が...
コラム

コラム031|納戸・クロゼットの収納はフレキシブルに

好きな場所に棚板を付けられるように 納戸やクロゼットを設けた場合、引出や棚が機能的に配置してあると使いやすいですね。しかし、見積をして真っ先に減額対象として目を向けられるのがここの家具です。結局、手持ちのタンスや洋服掛けを利用して・・・となりますが、ちょっとした工夫で使いやすい納戸・クロゼットができます。 ロイヤルサポートを壁に取り付けておくと、そこにブラケットを利用して棚板やハンガーパイプを取り付けることができます。ロイヤルとは商品名ですが、店舗などの商品棚や洋服を掛けるパイプなどに使われるものです。サポートとは棚柱ともいわれ、壁に埋め込んだ点状に穴の開いたの金属レールです。そこにブラケットを差し込んで棚の高さを自由に調整できます。ブティックなどでよく見かけますね。 後からでもできることもあります 壁のサポートにかなりの荷重がかかるため、しっかりとした下地に取り付けておく必要があります。工事中に壁の中を補強する必要があるかもしれませんし、壁に埋め込んで設置しておくと出っ張りがなくスッキリと納まります。配置のポイントは、棚板部分とハンガーパイプ部分のサポート...
コラム

コラム030|板の割付に他の機能を埋め込む

新旧の対比 八幡の家は、明治期に建てられ、登録文化財、金沢市保存建造物に指定されている農家住宅です。この建物の特徴でもある「オエ」といわれる吹抜の板の間の空間は、今でも多くの人が集まる場として利用されています。オエに隣接する古い台所をコンパクトな居住空間のLDKにリフォームした時に、来客も使えるトイレとお茶を入れたりできるようにミニキッチンを備えた給湯室をつくりました。古い「オエ」の空間は現状の復元をすることを重視していますが、新しくする居住空間は対比的に明るい色で仕上げています。 戸を開けた左側はLDKにリフォームされた台所。右側の戸の奥には給湯室が見えます。 ひとつの寸法にこだわる 正面には手洗いを兼ねた給湯コーナー、右側にはトイレがあり、壁は105ミリ幅のヒノキ板を縦に張っています。給湯コーナーは手洗いも兼ねるため鏡を設置したいのですが、普通の鏡を付けると、いかにも洗面所のようになり板張りの雰囲気に合いません。そこで、ヒノキ板一枚分の105ミリ幅の細長い鏡を、板の代わりに張りました。シンクの正面真ん中に鏡を張ると水栓の背面が写って見えるため、ずらし...
コラム

コラム028|電話・インターネットはどこから

配線はどこから建物内に入るのか 住宅が完成したときに、照明器具やコンセントはすぐに使える状態で引き渡しされているのが普通だと思います。しかし、電話やインターネットは、クライアントが電話会社やプロバイダーなどに申し込んで設置します。電話も、従来からのNTTの他にも新しい電話会社やケーブルテレビを利用した電話、光ケーブルを利用した電話など選択肢がたくさんあります。最近では、光ケーブルを引き込み、インターネットとひかり電話を利用する家庭がほとんどだと思います。石川県や富山県ではテレビアンテナをつけずにケーブルテレビでテレビを視聴する家庭も多くあります。住宅の設計・工事においては、これらの接続のために空配管のみ設置することが一般的です。 各部屋に電話やLANの接続口がありますが、どこから線をつなぐのでしょうか。最寄りの電柱から引き込みできるように、外壁の上部に引込口を設けています。写真の3つ並んだ内の一番奥は電力の引込口。手前2つが弱電用の引込口です。弱電とは電話やインターネット、ケーブルテレビなどの通信用の配線のことです。設計時にはどのような弱電方式にするか決まっていないことも多いの...
コラム

コラム027|ガルバリウム鋼板の外壁

街中を見てみると、外壁の仕上げ材料で一番多く使われているのは「窯業系サイディング」ではないでしょうか。これは、セメントに繊維質原料を混ぜて作られたもので、表面はレンガ積風や石張り風、板張り風の仕上が施されています。設計者としては、本物をまねてつくられた見栄えだけの偽物の材料を使うことに抵抗があります。施工性・メンテナンス・コスト・デザインのバランスから金属の質感をあらわしたガルバリウム鋼板を使用することが多くあります。少し前には、黒色のガルバリウムの角波スパンドレル(3センチ程度の角形の山と谷が連続する波板)が流行った時期もありましたが、すこし無機質すぎると思い最近ではあまり使っていません。 目地無しスパンドレル スッキリとシャープに見せる場合は、目地無しスパンドレルがあっていると思います。フラットな外壁面ですが10センチ毎に突き付けられた僅かな目地が見えるのと、平面部分が多少ゆがんで工業製品の中にも手仕事の痕跡が残る材料だと思います。 角波鋼板 ガルバリウムで一番安い材料は、角波鋼板といわれる山と谷に折られた鋼板を釘留め(またはビス留め)していくものが...
コラム

コラム026|設計のプロセス-メンテナンス:設計が家づくりならば、メンテナンスは家を育てること

竣工図 施工段階での打合せや詳細決定によって、当初の設計図から変更になったところを訂正して、引き渡し後に竣工図として一冊の図面集を製本して建て主にお渡ししています。ここには、施工業者が製作・施工するにあたって作成した施工図も一緒に綴じてあります。この例では55坪の平屋建て木造住宅の設計図と施工図等を合わせて172枚の竣工図になりました。メンテナンスや増改築の時に現状の建物の状況を記載した竣工図が必要となりますので大切に保管してもらっています。 一年検査 竣工してから1年後に、一年検査をおこない施工上の瑕疵の補修や調整などをおこないます。 また 、定期点検以外にも使用上の不都合などが発生した場合には 修理等の手配の対応をいたします。その後も増改築の相談や、家具のコーディネイトなど末永いお付き合いをさせていただきたいと思います。 設計時には思いもしなかった、住んでみてから気がつく改良点などもあるかもしれません。竣工時が家の完成ではなく、メンテナンスをしながら住みやすい成長する家をつくっていきたいと思います。  ご質問・お問い合わせは、こ...
コラム

コラム025|設計のプロセス-監理:施工者とチームプレイ

施工業者の決定 見積要項書と実施設計図をもとに、施工業者に見積を依頼します。見積の金額の安さだけで施工業者を決定するのではなく、現場監督の技術力や工程管理能力を見極めてふさわしい業者を決定します。施工業者から提出される見積書は住宅の新築で50~90頁、リフォームでも30~50頁にもおよぶ明細項目が並んでいます。見積時に施工業者からの質疑事項は書面にて回答し、各社同じ条件で見積もってもらい、見積比較表を作成します。設計時の打合せや図面の記入内容が不足していると、これらの明細項目の金額の誤差によって各社の見積金額が大きく異なってきます。これらの各項目をチェックすることと詳細な打合せと設計図によって適正な工事金額を確認していきます。 見積についてはこちらもご覧ください。コラム020|相見積もりで、どの施工者に決めるか 工事監理 工事期間中は設計図をもとに施工業者の現場監督が工程管理や品質管理をおこなっていきます。設計者(監理者)は通常1回/週の定例現場打合せと、鉄筋の配筋検査や接合金物の検査、施工者から提出される施工図をチェックして設計図の仕様に沿って工事がおこな...
コラム

コラム024|設計のプロセス-実施設計:細部を決めて計画を具体化

屋根の材料から引出のつまみの品番まで決めます 基本設計が固まると、「実施設計」に移ります。基本設計ではイメージされていなかった各部屋の家具や開口部の大きさや関係性などをスケッチや模型で検討・確認し、具体的な使用材料や使用機器の品番を決めていきます。使い勝手やデザインの検討と共に、詳細な図面を作成することによって現場でのトラブルや工事費の増加を防ぎます。 材料や品番を決めるためにより詳細な打合せスケッチや模型、CGなどでできあがりをイメージしながら打合せ・検討を進め、必要に応じて材料サンプルを取り寄せて質感や色の確認をしたり、キッチンメーカーや設備機器のショールームへ行って現物の確認をします。各部屋はスケッチによって各部の取り合いや家具・窓の配置を立体的に確認しながら打合せをしていきます。 意匠・構造・設備が一体となってひとつの建築に 意匠の設計と並行して、電気配線や空調・配管などの設備設計と、基礎や柱・梁の寸法や配置を決める構造設計は、必要に応じて協力事務所と連携して設計を行います。木造住宅の場合は、筋違いの配置計算による簡易的な構造チェックが認められていま...
コラム

コラム023|設計のプロセス-基本設計:住まいの骨格を作る大切な時間

要望の整理 設計とは、間取りや外観の図面を書く作業と思われるかもしれませんが、それだけではありません。図面を書くためには、建て主の思いを実現するために、たくさんの情報を引き出さなくてはいけません。建設予算や必要な部屋数などはわかりやすい情報ですが、どのような生活を望んでいるのか?今までの住まいの問題点は?家族みんなの意見を集約し、時には相反する事柄を整理して解決して行く必要があります。 最初に、建築主情報として家族構成や予算計画、要望等を記入してもらいますが、全ての要望を明確に把握している場合は少なく、細かい要望事項などは打合せの中で見つけ出していきます。打合せの中のちょっとした会話の中に手がかりが隠れている場合もあります。手持ちの家具の寸法を測ったりする内に、新居でも利用する家具、処分する家具等を見直すこともあります。建て主によっては気に入ったイメージ写真をスクラップでまとめていたり、パワーポイントで要望事項を逆にプレゼンテーションしてくれる人もいます。お互い、対等な立場で意見を出し合うことによって家造りがうまく進むと思います。 基本プランの作成 ...
コラム

コラム022|設計のプロセス-調査企画:設計の第一歩は出会いから

建築相談 建て主の価値観と共有できる設計者に出会うために、これから家を建てようと思っている方は、まず設計事務所を訪ねて気軽に相談をしてください。家を建てるということは既成の商品を買うのとは異なり、建て主の要望を最大限に取り入れて満足して暮らせる家を一から創ることです。 設計者の役割は、要望を整理し、その他の条件(法令や周辺環境など)と合わせて付加価値を付けることだと思っています。どのような付加価値を付けてくれるのか設計事務所によって異なります。 設計から竣工まで1年近く、また竣工後もメンテナンスや増改築の相談など長期に渡るお付き合いになります。気の合うパートナーとして設計をご依頼していただけるか、わからないことは何でもお聞きください。設計者選定のための面談など具体的な作業が発生しない相談はもちろん無料ですし、その場で結論を出す必要もありません。 電話のほかにメールやwebページの問合せフォーム、facebookのメッセージなどでお待ちしています。 企画プラン作成 ご自分の建設予定地にどのような計画が可能か確かめたい場合や、いきなり設計依頼をすることに不安...
コラム

コラム021|家具の扉

握りやすいハンドル 前回、キッチンの扉や引出に金属製の長いハンドルをつける事例を説明しました。コラム018|造作キッチンのシンク 濡れた手で開ける場合や、タオル掛けとして利用するのに便利です。 スッキリとした扉 今回は、扉や引出にハンドルをつけない場合の事例です。 壁一面に家具の扉が並ぶ場合は、金物などを見せずに扉の割付でデザインをすることによってスッキリさせることができます。キッチンのオーク材に合わせて家具工事で食器棚を作りました。既製品のキッチンの引出寸法に揃えることによって空間全体が違和感なくコーディネートされています。出入口の扉なども同じオーク材で作ってあります。 こちらは玄関にある下足入の扉です。扉の小口(厚み部分)を斜めに加工して、どの部分でも手掛けとなるようにしています。 いつも目に触れる場所にあるカウンタートップも先端を斜め加工して、シャープに見えるようにしています。 木材をシャープなデザインで使うことによって、暖かみのある中にも、重厚になりすぎない空間をつくることができます。  オリジナルデ...
コラム

コラム020|相見積もりで、どの施工者に決めるか

相見積もりで工事費は下がる? 住宅を建てるときに、プランやデザインも大切なことですが、一番の関心事は工事金額ではないでしょうか? クライアントと打合せを重ねて作成した設計図を元に、工事をする施工者が見積をします。一般的には3社程度の施工者に設計図を配布して、同一条件で見積もりしてもらい比較します。このことは一般的に、相見積もり(あいみつもり)といいます。 相見積もりによって、各社の見積金額が数十万から数百万の差が出て、安い金額の施工者に決定すれば設計費用も簡単に捻出されると言われることがあります。はたして、それは正しいことでしょうか。見積金額に大きな差が出るのは、設計図に示してある仕様や数量が不明瞭なため起こることだと思います。 不明瞭な箇所は極力減らす 家山真建築研究室では現場が終わると、工事中に変更になったことや決定した品番、納まりの変更箇所などを竣工図に反映して次回の設計につなげます。設計図には家具や建具の金物にいたるまで、ほとんどの仕上げ材料はメーカー・品番を指定してあります。一般名称で書かれた商品ではメーカーによって価格やデザイン・性能が異なります。あま...
コラム

コラム019|リビングのエアコンはどこに設置するか

エアコンは邪魔者? リビングは生活の中心の場であり、多くの時間を過ごし、時として来客など迎えるためにインテリアにもこだわりたい部分です。そのリビングのどこにエアコンをつけるのが良いでしょうか?もちろん、目立たないようにつけたいですね。予算的に壁掛型のエアコン(一般的な露出型のエアコン)が一番コストパフォーマンスが高いのでこれになることが多くなります。設計段階で、壁掛型のエアコンを家具内に設置したり、いろいろ工夫をして図面を書いたこともありますが、現場段階になって設備業者さんから家具内に設置することによる不都合を指摘されたり、自分でもエアコンの性能が十分に発揮できるかどうか心配で、結局は天井カセット型に変更することになります。エアコンを隠したい場合は、潔く埋込型にするか、家具内に設置する場合は十分な空間を確保して吸気と吹出しが妨げられないように大きな開口を開けた家具に設置するようにしています。 埋込型の機器を使う [神田の家]天井カセット型のエアコン。店舗やオフィスでは一般的なエアコンですが、住宅用もあります。狭い空間では少し威圧感があるかもしれません。 [南...