昌永町の家

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階段の設置|昌永町の家

内装の石膏ボード張りが中盤にさしかかった頃、階段が設置されました。細長い吹抜の幅にちょうど納まる階段なので厳密な寸法で壁と取り合います。大工さんが組み立てた階段を持ち上げて2階の梁に掛け渡します。 木製の階段といえども、ラバーウッドの集成材はかなりの重さです。上部からチェーンブロックでつり上げて慎重に位置を決めていきます。 階段の2段目の踊り場が、たたみコーナーのレベルと揃うようになっていて、たたみコーナーへの上がり口も兼ねています。手摺も両側に設置して無事完成です。 詳細図面は設計者で作成して、施工者と打合せをして工事を進めてもらいました。木造住宅の場合は、施工図の作成を工務店に任せるよりも設計者で詳細に図面を作成した方がスムーズに現場が進むと思います。 関連記事 こちらもご覧ください コラム|階段の見せ方
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奴葺きの屋根|昌永町の家

上棟に引き続き、屋根工事に入りました。瓦桟に一枚ずつ瓦を固定していきます。 普段はガルバリウム鋼葺きの屋根にすることが多いのですが、今回は施主の要望もあり日本瓦葺きの屋根にしました。ケラバいっぱいまで瓦を葺くと道路斜線による高さ制限がギリギリで、屋根の先端とケラバ(屋根の側面側)をガルバリウム鋼板で葺いた、奴葺き(やっこぶき)にしました。 屋根端部で瓦の厚み分が無くなるので高さ制限をクリアできる訳です。下図は確認申請の図面ですが、監理段階でも何度も距離やレベルを確認して図面通りになっているかチェックしました。や 足場の上から周辺の街並みを見渡すと、切妻の黒瓦が多く残っていました。妻面(つまめん)と平面(ひらめん)が地区ごとに秩序を持って建ち並び、それぞれの場所を特徴付けているのだと感じました。
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冬の晴れ間に上棟|昌永町の家

先週の上棟予定日が大雪の予報で、一週間遅れの上棟です。 前日には土台敷き(基礎の上に土台をアンカーボルトで設置)と根太の設置を行いました。土台に柱を建てるほぞ穴は、養生テープで塞いでもらいました。雨でほぞ穴に水が溜まるのを防ぐためです。このことを指摘しても、全く関心を示さない工務店もありますが今回の工務店は丁寧に対応していただきました。 上棟当日。寒い朝ですが、雪も降らず一安心です。柱の四隅には、クライアントにお清めのお酒を掛けてもらい本格的に作業が始まりました。 上棟の時には多くの大工さんが必要になるため、棟梁が大工仲間を集めてお互いに協力し合うことが多いそうですが、今回の現場では上棟工事専門の業者さんを手配したそうです。プレカットの図面を読み込み、的確に部材を振り分けてテンポ良く組立てていきます。 屋根垂木も設置され、家の全体像が見えてきました。 合板の野地板はそのままあらわし仕上げとなります。構造材は輸入材で当初設計していましたが、ウッドショックの影響で木材の確保が難しく、途中で県産材の杉に切り替えて着工しました。(そ...
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基礎コンクリートの養生|昌永町の家

基礎コンクリートを打設して、本年の現場作業は終了です。年明けの上棟まで養生期間ですが、今晩から雪が降り続く天気予報です。基礎を寒さから守るために、全体をシートで覆い養生することになりました。ペラペラなブルーシートではなく、少しでも風が通りにくく雪が積もっても丈夫な厚手のシートでないとダメだ!と監督が買いに行き、シートを掛けるのを手伝いました。 関連記事 こちらもご覧ください 業務日誌|基礎コンクリート養生 東山の家2
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木材不足の住宅着工|昌永町の家

昨年より計画を進めていた昌永町の家も、6月に建築会社に見積依頼することができました。3社の相見積もりです。ウッドショックの真っ只中で、どんな金額で出てくるのか心配していましたが、やはり各社予算オーバーとなりました。しかも、木材に関しては納期が3~4ヶ月後で、金額も契約時では無く納品時の金額が適用されるとのことで、予算計画ができず工事契約もできない状態でした。米松の集成材を使う設計でしたが、見積時から提案があり、一番見積が安かった建築会社の変更提案で国産(石川県産)の杉材を使うことにしました。この会社は、国産の杉をメインに使っているため可能でしたが、他社では普段から米松等の輸入材を使っているため国産の杉を手配することは難しかったようです。 減額の設計変更と共に、構造計算をやり直して杉の部材に置き換えていきました(杉の方が強度が低いため部材が大きくなる)。この時点で、国産の杉材の方が輸入の米松材より少し値段が高かったですが、3~4ヶ月後のいくらになるか分からない米松よりも、現時点で値段を確定できる国産の杉材の方が良いとの判断で、施主と相談の上決めました。 11月に入ってから材木...