コラム019|リビングのエアコンはどこに設置するか

リビングのエアコンはどこに設置するかコラム
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エアコンは邪魔者?

リビングは生活の中心の場であり、多くの時間を過ごし、時として来客など迎えるためにインテリアにもこだわりたい部分です。そのリビングのどこにエアコンをつけるのが良いでしょうか?もちろん、目立たないようにつけたいですね。予算的に壁掛型のエアコン(一般的な露出型のエアコン)が一番コストパフォーマンスが高いのでこれになることが多くなります。設計段階で、壁掛型のエアコンを家具内に設置したり、いろいろ工夫をして図面を書いたこともありますが、現場段階になって設備業者さんから家具内に設置することによる不都合を指摘されたり、自分でもエアコンの性能が十分に発揮できるかどうか心配で、結局は天井カセット型に変更することになります。エアコンを隠したい場合は、潔く埋込型にするか、家具内に設置する場合は十分な空間を確保して吸気と吹出しが妨げられないように大きな開口を開けた家具に設置するようにしています。

 

埋込型の機器を使う

[神田の家]天井カセット型のエアコン。店舗やオフィスでは一般的なエアコンですが、住宅用もあります。狭い空間では少し威圧感があるかもしれません。

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[南砺市の家]壁埋込型のエアコン。壁からの出っ張りはありませんが、吸気・吹出口が見えます。

南砺市の家 壁埋込エアコン
[田園の二世帯住宅]ビルトイン型のエアコン。天井内に設置したエアコンからダクトで接続された吸気・吹出口のみ見えます。

田園の二世帯住宅 ビルトインエアコン

 

壁掛型を目立たないように使う

[大野町の家]リビングの吊棚のひとつをエアコンスペースとして扉を横格子で給気を確保。底板は大きく開口を開けて吹出空気が滞りなく室内に行き渡るようにしています。

大野町の家 エアコン

エアコンスペースの隣の収納部分も横格子の同じデザインで揃えているので扉を閉めると違和感がありません。横格子を跳ね上げて開けるとフィルター掃除も楽に行えます。

大野町の家 エアコン

[久安の家宅]窓の上に付いたエアコンの前面を隣の本棚に揃えて、インテリアに合わせた白い縦格子をつけています。エアコンの上下はオープンなままなので運転に支障はありません。

久安の家 エアコン

[石引の家]書斎コーナーのカウンター上部にエアコンをつけて縦格子で隠しています。こちらも下面は大きく開放されているので性能は犠牲にせずに、エアコンは目立たないようにしています。

石引の家 エアコン

[南砺市の家]和室に連続するたたみ廊下に設置されたエアコンです。左奥の飾棚の上部にエアコンがあります。こちらは使用頻度が低い部屋なので、エアコンを使うときのみ和室の壁と同じ和紙貼りの小さな壁を跳ね上げて運転します。
南砺市の家

扉を開けた状態で運転します。もし、扉を開け忘れて運転しても下方は常にオープンなためショートサーキットが起こりにくくなっています。

南砺市の家 エアコン

 

狭い空間にエアコン機器を設置すると「ショットサーキット」(吹出口から出た暖かい(冷たい)空気が、そのまま吸気口に入り、所定の温度になったと機械が誤判断)して性能を十分に発揮できないことになります。目隠しの格子などをエアコンの前面につける場合にも、ショートサーキットをおこさないように十分開放しています。

 

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