コラム001|設計という仕事

設計という仕事コラム
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設計とは問題を解決すること

建築の設計とは、建築主の要望(必要諸室、予算、ライフスタイル)をはじめ、敷地条件(広さ、方位、法規制)、周辺環境(街並み、場所性)など多岐に渡る与条件の中から問題点を見つけだし、それに対する答えを見付けることだと思っています。

設計の条件

 

設計のことを「建築のデザイン」ということもありますが、一般的に「デザイン」という言葉は、きれいに飾り立てる付加的な装飾と捉えられている場合もあります。本来、デザインとは「ある一定の用途をもつものを作ろうとするとき、それが用途にかない、しかも最も美的な形態をもつように計画・設計すること」であり「ある目的に向けて計画を立て、問題解決のために思考・概念の組み立てを行い、それを可視的・触覚的媒体によって表現・表示すること」(デザイン小事典:福井晃一編,ダヴィッド社)とされています。

ダイヤグラム

設計者に求められるのは、流行の形態を真似ることや自己表現ではなく、与条件の中から見つけだした最適な空間を提供することなのです。

どんな家を望んでいるのかまだはっきりとしない場合でも、建築主の要望を引き出すためのコミュニケーションが必要とされます。医師の所へいっていきなり手術を頼む人はいません。診察、検査、処方箋と問題点を探って治療をするのです。建築においても同様に、調査、打合せを経て設計図にまとめ、その設計図に従い施工業者によって建てられるのです。

図面を描くことは設計の重要な作業のひとつですが、問題点の把握とそれに対する答えが間違っているとよい建築は実現できません。価値観の共有できる設計者を見付けることが家づくりの第一歩です。