基本設計

業務日誌

基本設計の打合せ 円光寺の家

何度かの打合せを経て、基本設計がほぼ固まりました。 クライアントのお宅へ伺って打合せをする場合は、小さなノートパソコンを持ち込んで打合せをするのですが、今までは事務所に来てもらった時にも打合せコーナーでノートパソコンを使っていました。自分の作業スペースを片付けて物を減らしたため、今回は作業用のパソコンモニターを使って打合せをすることができました。エルゴトロンのデュアルモニターアームを使っているので、モニターの位置を任意の場所でピタリと保持することができて便利です。基本設計段階からSketch Upで簡単なCGを作成するので、内部空間も確認しながら、お互いに共通認識を持って作業を進めることができます。 最近は、カタログも紙のカタログからwebカタログを使うようにしているので、打合せで話に出てきそうな製品などは、あらかじめブックマークしておいて目の前の画面ですぐに確認してもらうことができます。それと合わせて、床や壁の素材は現物を見ないとイメージできないため現物サンプルも見ながら打合せを進めます。
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最初の基本設計打合せ 円光寺の家

具体的な土地が決まり、計画を進め始めて2週間後の最初の計画案の打合せですが、すぐにプランの方向性が固まりました。最初にお会いしてから約半年の間に、現在の住まいの問題点やなどを伺っていたこともあり、要望をうまくプランに落とし込むことが出来ました。 建物の高さなどのボリュームや構造計画の検討は必要ですが、限られた敷地面積の中で、最大限の建ぺい率の活用と、日当たりの良い居住空間を目指しました。 最初の提案では、基本的に最適だと思われる一案のみ提示するようにしています。(場合によってはクライアントに対してプランの比較検討を提示することが必要だと思われる場合は、考え方の要点の異なる複数案を提示することもあります)平面図と、主要な空間のスケッチ(手書きの一点透視図)で空間のつながりや見え方をクライアントと共有します。 プランの打合せでは、単なる間取りでは無く、その空間で行われる行為を想定して、家具の配置や開口部の位置を早い段階から確認するようにしています。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ 関連記事 こちらもご覧ください 業務日誌|敷地調査 サ...
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敷地調査 サン・サーベイヤーで太陽軌跡の確認 円光寺の家

敷地選定の段階から相談に乗ってきた円光寺の家も、敷地が決定して無事に計画を進めることになりました。正式な測量図は、まだできていませんが、敷地の周辺状況の確認をしてきました。 道路から敷地の中を見た状況と、敷地の中から周囲を見た状況を撮影します。パソコンでパノラマ合成をするために、敷地の中央に立ち、少しずつ角度をずらしながら撮影していきます。設計中に敷地状況を思い浮かべるために、広範囲の連続写真にしておきます。(田んぼの中のようですが、草が生えた敷地の中に立っている状況です。) iPadのアプリ『サン・サーベイヤー』で、太陽の位置も確認するため、太陽高度の一番低い冬至に日付をセットして、太陽の軌跡をカメラで撮影した画面に合成して見ることができます。今、はやりのAR(Augmented Reality:拡張現実)、iPadの現実世界の映像に、太陽の軌跡を重ね合わせて表示させる技術です。今までは、計画した建物のSketchUPの3Dデータに太陽光を適用して日射のシミュレーションをしていましたが、現地で直感的に確認できるのは便利です。周辺建物と太陽の位置関係...
コラム

コラム035|直感力で答えを見つけ出す

最初の直感が大切 人との出会いや、お気に入りのものなど、いろいろ検討した結果第一印象で気に入ったものに戻ってくることは良くあることですね。 設計でも、最初の提案から打合せを重ねるうちに計画案が変更していきますが、最終的に第一案に戻ってしまうことも良くあります。建築の設計は、クライアントの要望や法的な条件を、ただ単に積み上げてできるものでは無く、さまざまな条件から問題点を見つけ出す作業でもあります。その最初の直感で出した案が最終的に気に入ってもらえると、出した答えが正しかったと嬉しくなります。 末町の家のリノベーション 要望をうかがって、最初に出した提案のスケッチです。和室の続間と洋間のダイニングキッチンがある一般的な木造住宅のリノベーションですが、壁面や家具のパネル化によって要素を単純化し、現代の生活に合うようにスッキリとした空間にしました。大きな間取り変更をしないで工事費も抑える提案です。 提案スケッチの右上のLDK部分です。造り付けソファーは無くなりましたが、ほぼ計画通りになりました。 提案スケッチの下の図をキッチン側から見た写真です...
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コラム023|設計のプロセス-基本設計:住まいの骨格を作る大切な時間

要望の整理 設計とは、間取りや外観の図面を書く作業と思われるかもしれませんが、それだけではありません。図面を書くためには、建て主の思いを実現するために、たくさんの情報を引き出さなくてはいけません。建設予算や必要な部屋数などはわかりやすい情報ですが、どのような生活を望んでいるのか?今までの住まいの問題点は?家族みんなの意見を集約し、時には相反する事柄を整理して解決して行く必要があります。 最初に、建築主情報として家族構成や予算計画、要望等を記入してもらいますが、全ての要望を明確に把握している場合は少なく、細かい要望事項などは打合せの中で見つけ出していきます。打合せの中のちょっとした会話の中に手がかりが隠れている場合もあります。手持ちの家具の寸法を測ったりする内に、新居でも利用する家具、処分する家具等を見直すこともあります。建て主によっては気に入ったイメージ写真をスクラップでまとめていたり、パワーポイントで要望事項を逆にプレゼンテーションしてくれる人もいます。お互い、対等な立場で意見を出し合うことによって家造りがうまく進むと思います。 基本プランの作成 ...
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コラム022|設計のプロセス-調査企画:設計の第一歩は出会いから

建築相談 建て主の価値観と共有できる設計者に出会うために、これから家を建てようと思っている方は、まず設計事務所を訪ねて気軽に相談をしてください。家を建てるということは既成の商品を買うのとは異なり、建て主の要望を最大限に取り入れて満足して暮らせる家を一から創ることです。 設計者の役割は、要望を整理し、その他の条件(法令や周辺環境など)と合わせて付加価値を付けることだと思っています。どのような付加価値を付けてくれるのか設計事務所によって異なります。 設計から竣工まで1年近く、また竣工後もメンテナンスや増改築の相談など長期に渡るお付き合いになります。気の合うパートナーとして設計をご依頼していただけるか、わからないことは何でもお聞きください。設計者選定のための面談など具体的な作業が発生しない相談はもちろん無料ですし、その場で結論を出す必要もありません。 電話のほかにメールやwebページの問合せフォーム、facebookのメッセージなどでお待ちしています。 企画プラン作成 ご自分の建設予定地にどのような計画が可能か確かめたい場合や、いきなり設計依頼をすることに不安...
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コラム012|リノベーションの現地調査

まずは現状把握から 既存住宅の改修は、現状調査から始まります。古い平面図が残っている場合もあるのですが、現状とは異なっていたり、構造の図面が無いことの方が多いと思います。 間取りの調査と平面寸法、断面寸法、構造材の位置と寸法を実測します。床下や天井裏を部分的に解体しなければ梁の配置や寸法がわからないので、最小限の範囲で仕上材の解体をして中の様子を確認します。調査が不十分だと工事が始まってから設計変更が必要となり、工事費と工期に影響します。また、天井に隠れた木組みの美しさを発見して、設計の方針を決めるきっかけにもなります。 テレビ番組のような派手な解体作業とはほど遠い、地道な調査作業です。木造在来工法の住宅は解体しやすいつくりになっているので、何度か経験すると解体する勘所がわかってきます。 設計段階では施工業者が決まっていないので設計事務所で調査作業のための解体をしなくてはいけません。調査から現況図面を作成して、「できること」と「できないこと」を見極めてから設計に取りかかります。  リフォームのご相談は、こちらからどうぞ ...
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コラム009|アプローチ空間で期待感を高める

奥行きを創り出す 建築のアプローチは、内部空間へ至る印象を決める重要な場所です。建物が道路に面していたり、奥行きが充分とれない場合であっても、道路と平行にアプローチ空間を長く取って建物の中に入る期待感を高めることができます。 [写真上/直源醤油ショールーム]道路に面した土蔵の小さな入口から内部を見るとフロストガラスのスクリーンで仕切られて内部を見通すことができません。下見板張りの蔵の外壁に開けられた開口部の奥に、明るいガラス面が人を中へと誘い込みます。 スクリーン越しに内部のあかりと雰囲気を感じながら狭い土間のアプローチ空間を通って、突きあたりで視線の向きを変えると広い蔵空間が広がります。 [写真上/葬送空間えにし]セレモニーホールの正面玄関はフロストガラスのスクリーンで仕切られています。 ファサード面のフロストガラスのスクリーンは入口までの距離をとることによって風除室としての機能的な役割を果たすと共に、参列者が告別の場であるホールへと至るまでの厳かな精神に切り替え、故人を偲ぶ回廊としての役割をもっています。  ご質問...
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コラム002|直射日光と窓

住宅の計画において、採光は基本的なポイントです。誰もが明るい家を望みます。 建築基準法では居室の床面積の1/7の採光窓面積が必要とされ、8帖の部屋の場合約1.9平米(例えば幅1.9m×高さ1m)の窓が必要です。厳密には窓の位置条件(高さや隣地からの距離など)によって採光補正係数を考慮するため、必要な窓面積は変化します。 窓の大きさは、法的に求められる面積を確保することは必要ですが、実際には室内と外部空間の関係性によって決められます。庭やテラスに出入りするための大きな窓や、風景を切り取って見る小さな窓、風の通り道を確保する窓など必要とされる機能とデザインによって決められます。 北陸ではだいたい冬の太陽高度は32°、夏の太陽高度は78°くらいです。寒い冬は暖かい日差しが室内に差し込むと快適ですが、暑い夏には日差しを遮りたいものです。リビングの南の窓側に吹抜をつくり、屋根の軒を出すことで直射日光をコントロールできます。夏は軒が日差しを遮り、冬は吹抜上部の窓からの日差しが部屋の奥まで差し込んでくるのです。 写真は田園の二世帯住宅の冬の日射しです。 ...
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コラム001|設計という仕事

設計とは問題を解決すること 建築の設計とは、建築主の要望(必要諸室、予算、ライフスタイル)をはじめ、敷地条件(広さ、方位、法規制)、周辺環境(街並み、場所性)など多岐に渡る与条件の中から問題点を見つけだし、それに対する答えを見付けることだと思っています。 設計のことを「建築のデザイン」ということもありますが、一般的に「デザイン」という言葉は、きれいに飾り立てる付加的な装飾と捉えられている場合もあります。本来、デザインとは「ある一定の用途をもつものを作ろうとするとき、それが用途にかない、しかも最も美的な形態をもつように計画・設計すること」であり「ある目的に向けて計画を立て、問題解決のために思考・概念の組み立てを行い、それを可視的・触覚的媒体によって表現・表示すること」(デザイン小事典:福井晃一編,ダヴィッド社)とされています。 設計者に求められるのは、流行の形態を真似ることや自己表現ではなく、与条件の中から見つけだした最適な空間を提供することなのです。 どんな家を望んでいるのかまだはっきりとしない場合でも、建築主の要望を引き出すためのコミュニケ...
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設計監理契約をしていただきました 東山の家2

最初のプレゼンテーションで、多少の修正要望をうかがい第二案を提示しました。結局、第一案のプランの方向性に戻り、その修正案の第三案を基に設計監理契約を結んでいただくことができました。 竣工予定、仮住まいなどの予定から、ゴールデンウィークまでには実施設計を完了するというタイトなスケジュールです。かなり詰めて計画案を作成していたため、ほぼ基本設計完了に近い状態に図面がまとまっています。1ヶ月半で実施設計が終わるように、がんばっていきたいと思います。 設計監理業務、設計監理報酬については、家山真建築研究室web/業務案内で説明してあります。
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地盤調査の立会 南砺市の家

住宅の計画地でスウェーデン式サウンディング試験を行いました。ロッドに加える荷重とハンドルの回転量で地盤の強度を測定します。最近は機械でロッドを貫入させる調査会社が多くなっていますが、今回は手動式で8ポイントの計測。 ハンドオーガで土のサンプルも採取してもらいました。現状地盤から約1mはシルト質の軟弱地盤。それ以深は礫(れき)のしっかりとした地盤ということがわかりました。 調査結果を基に、地盤改良と基礎の設計をおこないます。 敷地周辺は、散居村の風景が残る田園地帯です。
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埋蔵文化財の試掘 尾張町計画

本年度(2011年)より金沢市の旧城下町区域内で建築工事を行う際に、埋蔵文化財の調査が必要になりました。計画地において埋蔵文化財の有無を、金沢市が試掘を行って確認します。 今回、金沢市の試掘調査に立会を行いました。1mほどミニユンボで掘って、地中の状況を確認します。幸いにも(?)何も遺跡らしいものは出てこなく調査は終了しました。旧い茶碗のかけらなどの遺跡が出た場合、事業者の費用負担で発掘調査が必要になるそうです。
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古民家と共に時を刻んだ古時計 八幡の家

改修工事の打合せにうかがった時、施主に見せていただいた古時計。アメリカのニューヘブン製の掛け時計です。この家が建った明治期に購入したものだそうです。まさに「大きな古時計」のように、もう動かなくなっていたものを、金沢市野町にある「匠 亞陀(あだ)」にて修理したそうです。金沢に古時計専門の修復をおこなう職人がいることを初めて知りました。建築や工芸と同じようにアナログ(機械式)のものは、故障の原因を見付けパーツを取り替えることで蘇ることができるのだと思います。古民家の柱に掛けられた時計は、違和感なく空間にとけ込み、心地よい振り子の音が響きます。