まずは現状把握から
既存住宅の改修は、現状調査から始まります。古い平面図が残っている場合もあるのですが、現状とは異なっていたり、構造の図面が無いことの方が多いと思います。
間取りの調査と平面寸法、断面寸法、構造材の位置と寸法を実測します。床下や天井裏を部分的に解体しなければ梁の配置や寸法がわからないので、最小限の範囲で仕上材の解体をして中の様子を確認します。調査が不十分だと工事が始まってから設計変更が必要となり、工事費と工期に影響します。また、天井に隠れた木組みの美しさを発見して、設計の方針を決めるきっかけにもなります。
テレビ番組のような派手な解体作業とはほど遠い、地道な調査作業です。木造在来工法の住宅は解体しやすいつくりになっているので、何度か経験すると解体する勘所がわかってきます。
設計段階では施工業者が決まっていないので設計事務所で調査作業のための解体をしなくてはいけません。調査から現況図面を作成して、「できること」と「できないこと」を見極めてから設計に取りかかります。
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