コラム028|電話・インターネットはどこから

電話・インターネットはどこからコラム
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配線はどこから建物内に入るのか

住宅が完成したときに、照明器具やコンセントはすぐに使える状態で引き渡しされているのが普通だと思います。しかし、電話やインターネットは、クライアントが電話会社やプロバイダーなどに申し込んで設置します。電話も、従来からのNTTの他にも新しい電話会社やケーブルテレビを利用した電話、光ケーブルを利用した電話など選択肢がたくさんあります。最近では、光ケーブルを引き込み、インターネットとひかり電話を利用する家庭がほとんどだと思います。石川県や富山県ではテレビアンテナをつけずにケーブルテレビでテレビを視聴する家庭も多くあります。住宅の設計・工事においては、これらの接続のために空配管のみ設置することが一般的です。

各部屋に電話やLANの接続口がありますが、どこから線をつなぐのでしょうか。最寄りの電柱から引き込みできるように、外壁の上部に引込口を設けています。写真の3つ並んだ内の一番奥は電力の引込口。手前2つが弱電用の引込口です。弱電とは電話やインターネット、ケーブルテレビなどの通信用の配線のことです。設計時にはどのような弱電方式にするか決まっていないことも多いので、予備として2本の空配管を設置することを標準としています。

配線取出口

 

 

ルーターはどこに置くのが良いか

ここから配管を建物内に設置してあるので、後からでも配線が露出せずに工事ができるのです。ここから入った配線は各部屋に分岐したり、ルーターなどの機器を接続するための分岐点が必要になります。事務所ビルなどの大型の建物では弱電盤という、電話やインターネットの専用の接続ボックスを各階の廊下などにつけますが、住宅では大げさなものになります。天井裏に設置したり、ユニットバスの天井点検口の中に設置する設計者や工務店もあるようですが、家山真建築研究室のお薦めは、収納棚の一部を弱電スペースにすることです。玄関収納やリビング、廊下など配管の取り回しの良い場所どこの収納でもOKです。あまり使わない収納棚内の上段に4連のスイッチボックスを設置して、外壁の引込口とこのボックス、そしてこのボックスから各部屋へ空配管を設置しておきます。

 

弱電中継ボックス

このボックスを起点に配線の取り回しをすることができます。インターネットのルーターなども収納内に置いておけば部屋内に機器が出てこないでスッキリとおさまります。普段触ることの無い部分ですが、機器の不都合でリセットしたり、無線LANの設定のためにルーターのボタンを押す必要があったり、プロバイダー変更によるレンタルルーターの入替など、作業しやすい場所の方が好都合です。設置機器の電源のためにコンセントもお忘れなく。