コラム038|ダイニングチェアの適切な高さと位置

差尺の説明図コラム
この記事は約2分で読めます。

イスの最適な高さは

毎日の食事、あるいは仕事でテーブル・デスクに向かって座る時間は一日の中で多くの時間を占めています。今使っているテーブルは高さ70センチ程度、イスは40センチ程度の高さではないでしょうか。テーブルとイスの高さの関係は「差尺」といわれる寸法が27~30センチの範囲が適切だと言われています。下の図で青色の矢印で示した高さです。簡単に言えば、足の入る部分の隙間の高さのことですね。(厳密には、隙間とテーブルの厚みを足した寸法です)一般的な既製品の家具を使っていれば、ほぼこの寸法に納まっているはずです。

差尺の最適寸法は、座高の1/3から2~3センチ引いた値。つまり、

差尺=((身長×0.55)÷3)ー(2~3センチ)

となります。身長の0.55が座高と言うことですね。

差尺の説明図

 

イスの最適な位置は

一方、テーブルとイスの平面的な位置関係も使いやすさに関わってきます。テーブルは固定されていても、イスは動かすことができるので特に気にしなくても、自然とイスを引いたりすることによって座りやすい位置を見つけ出すことができます。しかし、設計段階では実際に使用する位置で図面上に家具を書き込んでおかないと、できあがったときに家具廻りの余白が使いにくい配置になっているかもしれません。

展開図に書いてあるイスは、アルフレックスのYOチェア(建築家の押野見邦英さんデザイン)。特定の家具の使用が決まっていないときに、空間スケールを確認するために図面の点景として「イス」らしい普遍的なフォルムが好きで、シルエットをパーツ化していつも利用しています。

テーブルの先端とイスの先端が揃う位置が最適ラインです。上の図で赤色の点線で示したラインです。以前、勤めていた事務所で飲食店の設計をしていたときに、そう習いました。

飲食店で、この距離が適切でないために居心地の悪いお店に行くと残念な気持ちになります。たぶん、店員の配膳のしやすさのために間隔を広めにしてあるのだと思います。動かすことが可能であれば食べやすいように多少調整しますが、固定式だとお手上げです。

 

コラム
こちら(SNS)もご覧ください
家山真建築研究室のブログ|ライフスタイルをかたちに