ガラスの使い方を工夫して明るい空間に
前回、玄関庇の大切さについての事例を説明しました。コラム033|玄関の庇もデザインの一部
玄関の中に入っても、明るく開放的な空間だと気持ちよいですね。
田園の二世帯住宅は、4帖の広さの玄関ポーチの奥の玄関ドアを開けると、さらに4帖の広さの玄関土間と、4帖の玄関ホール・廊下が広がります。
玄関ドアの両側は、複層(二重)のフロストガラスで外の光が充分に入ってきます。フロストガラスは、視線は遮りますが、向こう側の気配はうっすらと伝わってきます。玄関ドアは、栗とヒバの板を交互に張って製作したオリジナルデザインです。重厚な木製ドアとは対比的に、両側の壁は光を通すガラスの壁になっています。
南砺市の家でも、米杉の板張りの引戸とガラスの壁で玄関内部は充分明るくなっています。こちらは玄関引戸に加えて格子の網戸を設け、透明なガラスに格子戸が重なり視線をコントロールすることができます。
石引の家では、玄関引戸を全てガラスとしています。こちらは、道路面から近い位置に玄関戸があるため、フロストガラスよりも透過性が低くなるように乳白色のフィルムを貼っています。大きなガラス面のため、もしも物をぶつけて破損した場合の飛散防止効果もあります。
久安の家では、玄関ホールが吹抜となり、玄関を入った正面には中庭があり、そのまま視線が中庭に繋がります。玄関戸はスチール製の強固なドアですが、両側の小さな壁と、吹抜に繋がる上部は透明なガラスとなって開放的な玄関になっています。