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コラム031|納戸・クロゼットの収納はフレキシブルに

好きな場所に棚板を付けられるように 納戸やクロゼットを設けた場合、引出や棚が機能的に配置してあると使いやすいですね。しかし、見積をして真っ先に減額対象として目を向けられるのがここの家具です。結局、手持ちのタンスや洋服掛けを利用して・・・となりますが、ちょっとした工夫で使いやすい納戸・クロゼットができます。 ロイヤルサポートを壁に取り付けておくと、そこにブラケットを利用して棚板やハンガーパイプを取り付けることができます。ロイヤルとは商品名ですが、店舗などの商品棚や洋服を掛けるパイプなどに使われるものです。サポートとは棚柱ともいわれ、壁に埋め込んだ点状に穴の開いたの金属レールです。そこにブラケットを差し込んで棚の高さを自由に調整できます。ブティックなどでよく見かけますね。 後からでもできることもあります 壁のサポートにかなりの荷重がかかるため、しっかりとした下地に取り付けておく必要があります。工事中に壁の中を補強する必要があるかもしれませんし、壁に埋め込んで設置しておくと出っ張りがなくスッキリと納まります。配置のポイントは、棚板部分とハンガーパイプ部分のサポート...
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コラム030|板の割付に他の機能を埋め込む

新旧の対比 八幡の家は、明治期に建てられ、登録文化財、金沢市保存建造物に指定されている農家住宅です。この建物の特徴でもある「オエ」といわれる吹抜の板の間の空間は、今でも多くの人が集まる場として利用されています。オエに隣接する古い台所をコンパクトな居住空間のLDKにリフォームした時に、来客も使えるトイレとお茶を入れたりできるようにミニキッチンを備えた給湯室をつくりました。古い「オエ」の空間は現状の復元をすることを重視していますが、新しくする居住空間は対比的に明るい色で仕上げています。 戸を開けた左側はLDKにリフォームされた台所。右側の戸の奥には給湯室が見えます。 ひとつの寸法にこだわる 正面には手洗いを兼ねた給湯コーナー、右側にはトイレがあり、壁は105ミリ幅のヒノキ板を縦に張っています。給湯コーナーは手洗いも兼ねるため鏡を設置したいのですが、普通の鏡を付けると、いかにも洗面所のようになり板張りの雰囲気に合いません。そこで、ヒノキ板一枚分の105ミリ幅の細長い鏡を、板の代わりに張りました。シンクの正面真ん中に鏡を張ると水栓の背面が写って見えるため、ずらし...
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コラム028|電話・インターネットはどこから

配線はどこから建物内に入るのか 住宅が完成したときに、照明器具やコンセントはすぐに使える状態で引き渡しされているのが普通だと思います。しかし、電話やインターネットは、クライアントが電話会社やプロバイダーなどに申し込んで設置します。電話も、従来からのNTTの他にも新しい電話会社やケーブルテレビを利用した電話、光ケーブルを利用した電話など選択肢がたくさんあります。最近では、光ケーブルを引き込み、インターネットとひかり電話を利用する家庭がほとんどだと思います。石川県や富山県ではテレビアンテナをつけずにケーブルテレビでテレビを視聴する家庭も多くあります。住宅の設計・工事においては、これらの接続のために空配管のみ設置することが一般的です。 各部屋に電話やLANの接続口がありますが、どこから線をつなぐのでしょうか。最寄りの電柱から引き込みできるように、外壁の上部に引込口を設けています。写真の3つ並んだ内の一番奥は電力の引込口。手前2つが弱電用の引込口です。弱電とは電話やインターネット、ケーブルテレビなどの通信用の配線のことです。設計時にはどのような弱電方式にするか決まっていないことも多いの...
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コラム027|ガルバリウム鋼板の外壁

街中を見てみると、外壁の仕上げ材料で一番多く使われているのは「窯業系サイディング」ではないでしょうか。これは、セメントに繊維質原料を混ぜて作られたもので、表面はレンガ積風や石張り風、板張り風の仕上が施されています。設計者としては、本物をまねてつくられた見栄えだけの偽物の材料を使うことに抵抗があります。施工性・メンテナンス・コスト・デザインのバランスから金属の質感をあらわしたガルバリウム鋼板を使用することが多くあります。少し前には、黒色のガルバリウムの角波スパンドレル(3センチ程度の角形の山と谷が連続する波板)が流行った時期もありましたが、すこし無機質すぎると思い最近ではあまり使っていません。 目地無しスパンドレル スッキリとシャープに見せる場合は、目地無しスパンドレルがあっていると思います。フラットな外壁面ですが10センチ毎に突き付けられた僅かな目地が見えるのと、平面部分が多少ゆがんで工業製品の中にも手仕事の痕跡が残る材料だと思います。 角波鋼板 ガルバリウムで一番安い材料は、角波鋼板といわれる山と谷に折られた鋼板を釘留め(またはビス留め)していくものが...
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コラム026|設計のプロセス-メンテナンス:設計が家づくりならば、メンテナンスは家を育てること

竣工図 施工段階での打合せや詳細決定によって、当初の設計図から変更になったところを訂正して、引き渡し後に竣工図として一冊の図面集を製本して建て主にお渡ししています。ここには、施工業者が製作・施工するにあたって作成した施工図も一緒に綴じてあります。この例では55坪の平屋建て木造住宅の設計図と施工図等を合わせて172枚の竣工図になりました。メンテナンスや増改築の時に現状の建物の状況を記載した竣工図が必要となりますので大切に保管してもらっています。 一年検査 竣工してから1年後に、一年検査をおこない施工上の瑕疵の補修や調整などをおこないます。 また 、定期点検以外にも使用上の不都合などが発生した場合には 修理等の手配の対応をいたします。その後も増改築の相談や、家具のコーディネイトなど末永いお付き合いをさせていただきたいと思います。 設計時には思いもしなかった、住んでみてから気がつく改良点などもあるかもしれません。竣工時が家の完成ではなく、メンテナンスをしながら住みやすい成長する家をつくっていきたいと思います。  ご質問・お問い合わせは、こ...
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コラム025|設計のプロセス-監理:施工者とチームプレイ

施工業者の決定 見積要項書と実施設計図をもとに、施工業者に見積を依頼します。見積の金額の安さだけで施工業者を決定するのではなく、現場監督の技術力や工程管理能力を見極めてふさわしい業者を決定します。施工業者から提出される見積書は住宅の新築で50~90頁、リフォームでも30~50頁にもおよぶ明細項目が並んでいます。見積時に施工業者からの質疑事項は書面にて回答し、各社同じ条件で見積もってもらい、見積比較表を作成します。設計時の打合せや図面の記入内容が不足していると、これらの明細項目の金額の誤差によって各社の見積金額が大きく異なってきます。これらの各項目をチェックすることと詳細な打合せと設計図によって適正な工事金額を確認していきます。 見積についてはこちらもご覧ください。コラム020|相見積もりで、どの施工者に決めるか 工事監理 工事期間中は設計図をもとに施工業者の現場監督が工程管理や品質管理をおこなっていきます。設計者(監理者)は通常1回/週の定例現場打合せと、鉄筋の配筋検査や接合金物の検査、施工者から提出される施工図をチェックして設計図の仕様に沿って工事がおこな...
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コラム024|設計のプロセス-実施設計:細部を決めて計画を具体化

屋根の材料から引出のつまみの品番まで決めます 基本設計が固まると、「実施設計」に移ります。基本設計ではイメージされていなかった各部屋の家具や開口部の大きさや関係性などをスケッチや模型で検討・確認し、具体的な使用材料や使用機器の品番を決めていきます。使い勝手やデザインの検討と共に、詳細な図面を作成することによって現場でのトラブルや工事費の増加を防ぎます。 材料や品番を決めるためにより詳細な打合せスケッチや模型、CGなどでできあがりをイメージしながら打合せ・検討を進め、必要に応じて材料サンプルを取り寄せて質感や色の確認をしたり、キッチンメーカーや設備機器のショールームへ行って現物の確認をします。各部屋はスケッチによって各部の取り合いや家具・窓の配置を立体的に確認しながら打合せをしていきます。 意匠・構造・設備が一体となってひとつの建築に 意匠の設計と並行して、電気配線や空調・配管などの設備設計と、基礎や柱・梁の寸法や配置を決める構造設計は、必要に応じて協力事務所と連携して設計を行います。木造住宅の場合は、筋違いの配置計算による簡易的な構造チェックが認められていま...
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コラム023|設計のプロセス-基本設計:住まいの骨格を作る大切な時間

要望の整理 設計とは、間取りや外観の図面を書く作業と思われるかもしれませんが、それだけではありません。図面を書くためには、建て主の思いを実現するために、たくさんの情報を引き出さなくてはいけません。建設予算や必要な部屋数などはわかりやすい情報ですが、どのような生活を望んでいるのか?今までの住まいの問題点は?家族みんなの意見を集約し、時には相反する事柄を整理して解決して行く必要があります。 最初に、建築主情報として家族構成や予算計画、要望等を記入してもらいますが、全ての要望を明確に把握している場合は少なく、細かい要望事項などは打合せの中で見つけ出していきます。打合せの中のちょっとした会話の中に手がかりが隠れている場合もあります。手持ちの家具の寸法を測ったりする内に、新居でも利用する家具、処分する家具等を見直すこともあります。建て主によっては気に入ったイメージ写真をスクラップでまとめていたり、パワーポイントで要望事項を逆にプレゼンテーションしてくれる人もいます。お互い、対等な立場で意見を出し合うことによって家造りがうまく進むと思います。 基本プランの作成 ...
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コラム022|設計のプロセス-調査企画:設計の第一歩は出会いから

建築相談 建て主の価値観と共有できる設計者に出会うために、これから家を建てようと思っている方は、まず設計事務所を訪ねて気軽に相談をしてください。家を建てるということは既成の商品を買うのとは異なり、建て主の要望を最大限に取り入れて満足して暮らせる家を一から創ることです。 設計者の役割は、要望を整理し、その他の条件(法令や周辺環境など)と合わせて付加価値を付けることだと思っています。どのような付加価値を付けてくれるのか設計事務所によって異なります。 設計から竣工まで1年近く、また竣工後もメンテナンスや増改築の相談など長期に渡るお付き合いになります。気の合うパートナーとして設計をご依頼していただけるか、わからないことは何でもお聞きください。設計者選定のための面談など具体的な作業が発生しない相談はもちろん無料ですし、その場で結論を出す必要もありません。 電話のほかにメールやwebページの問合せフォーム、facebookのメッセージなどでお待ちしています。 企画プラン作成 ご自分の建設予定地にどのような計画が可能か確かめたい場合や、いきなり設計依頼をすることに不安...
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コラム021|家具の扉

握りやすいハンドル 前回、キッチンの扉や引出に金属製の長いハンドルをつける事例を説明しました。コラム018|造作キッチンのシンク 濡れた手で開ける場合や、タオル掛けとして利用するのに便利です。 スッキリとした扉 今回は、扉や引出にハンドルをつけない場合の事例です。 壁一面に家具の扉が並ぶ場合は、金物などを見せずに扉の割付でデザインをすることによってスッキリさせることができます。キッチンのオーク材に合わせて家具工事で食器棚を作りました。既製品のキッチンの引出寸法に揃えることによって空間全体が違和感なくコーディネートされています。出入口の扉なども同じオーク材で作ってあります。 こちらは玄関にある下足入の扉です。扉の小口(厚み部分)を斜めに加工して、どの部分でも手掛けとなるようにしています。 いつも目に触れる場所にあるカウンタートップも先端を斜め加工して、シャープに見えるようにしています。 木材をシャープなデザインで使うことによって、暖かみのある中にも、重厚になりすぎない空間をつくることができます。  オリジナルデ...
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コラム020|相見積もりで、どの施工者に決めるか

相見積もりで工事費は下がる? 住宅を建てるときに、プランやデザインも大切なことですが、一番の関心事は工事金額ではないでしょうか? クライアントと打合せを重ねて作成した設計図を元に、工事をする施工者が見積をします。一般的には3社程度の施工者に設計図を配布して、同一条件で見積もりしてもらい比較します。このことは一般的に、相見積もり(あいみつもり)といいます。 相見積もりによって、各社の見積金額が数十万から数百万の差が出て、安い金額の施工者に決定すれば設計費用も簡単に捻出されると言われることがあります。はたして、それは正しいことでしょうか。見積金額に大きな差が出るのは、設計図に示してある仕様や数量が不明瞭なため起こることだと思います。 不明瞭な箇所は極力減らす 家山真建築研究室では現場が終わると、工事中に変更になったことや決定した品番、納まりの変更箇所などを竣工図に反映して次回の設計につなげます。設計図には家具や建具の金物にいたるまで、ほとんどの仕上げ材料はメーカー・品番を指定してあります。一般名称で書かれた商品ではメーカーによって価格やデザイン・性能が異なります。あま...
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コラム019|リビングのエアコンはどこに設置するか

エアコンは邪魔者? リビングは生活の中心の場であり、多くの時間を過ごし、時として来客など迎えるためにインテリアにもこだわりたい部分です。そのリビングのどこにエアコンをつけるのが良いでしょうか?もちろん、目立たないようにつけたいですね。予算的に壁掛型のエアコン(一般的な露出型のエアコン)が一番コストパフォーマンスが高いのでこれになることが多くなります。設計段階で、壁掛型のエアコンを家具内に設置したり、いろいろ工夫をして図面を書いたこともありますが、現場段階になって設備業者さんから家具内に設置することによる不都合を指摘されたり、自分でもエアコンの性能が十分に発揮できるかどうか心配で、結局は天井カセット型に変更することになります。エアコンを隠したい場合は、潔く埋込型にするか、家具内に設置する場合は十分な空間を確保して吸気と吹出しが妨げられないように大きな開口を開けた家具に設置するようにしています。 埋込型の機器を使う [神田の家]天井カセット型のエアコン。店舗やオフィスでは一般的なエアコンですが、住宅用もあります。狭い空間では少し威圧感があるかもしれません。 [南...
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コラム018|造作キッチンのシンク

住宅の設備機器の選定で、一番興味のある場所はキッチンではないでしょうか?毎日使うキッチン、優れた既製品もたくさんありますが、寸法や引出の使い勝手をフルオーダーでつくる造作キッチンは魅力的ですね。 使いやすいシンクの工夫は? カウンタートップは、ステンレス、人工大理石、御影石など、クライアントの調理スタイルやインテリアのデザイン要素で選択します。ここで気をつけなくてはいけないことは、カウンタートップに取付ける水栓の位置です。調理や洗い物の度に開け閉めする水栓廻りには、水が落ちて濡れてしまいます。カウンタートップとシンクの間に、一段低い部分を設けてそこに水栓を取付けると、水がカウンター面に広がらずにシンクに自然と落ちていきます。 [神田の家]ステンレスのカンタートップと一体化したシンク。シンクの奥にスポンジを置く窪みもつけました。死角のない対面式のキッチンでもスポンジをうまく隠すことができます。 [並木町のマンション]白い人工大理石のカウンタートップとシンクを接合して一体化しました。シンクは、シンク製造メーカーの既製品を家具工事でキッチンに組み込みました...
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コラム017|住まいのあらゆる要望に、「100%+α」で応えたい

事務所の資料など整理して出てきました。独立して間もない頃の住宅情報誌のインタビュー記事です。(ちょうど11年前) 当然のことですが、今と基本的な考えは変わっていません。 ---以下、掲載記事より--- 住まいのあらゆる要望に、「100%+α」で応えたい。 「その家で暮らす方々の“満足”を最優先したい」 -家山さんは、住まいのジャンルや工法には特にこだわらないとお聞きしたのですが、それはどうしてなんですか? 家山)住宅の場合、何よりも「その家で暮らす方々の満足が最後先!」それが私のポリシーです。得意分野はあって、当然ですが”俺はこの工法だ”的な建築家のスタイルをクライアントに押し付けるのは、おかしい、というか本末転倒だと考えます。 -クライアントのいう通りの設計ということではないですよね? 家山)もちろんです(笑)。私の場合、要望は一旦全てお聞きしますが、コストや納期なども考慮した上でプロとしての付加価値(+α )を加えてクライアントに最も相応しい住まいを、白紙の状態から設計します。クライアントの数だけ、思想の住まいがある訳ですから。 ...
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コラム016|パンチングメタルの外観

商業建築では、正面の外観(ファサード)をアルミサッシとガラスのカーテンウォールとし、デザイン要素を単純化して、スッキリとした外観にすることがあります。物販店舗では、1階は出入口とショーウィンドウのために透明なガラスで店内の見通しをよくする必要がありますが、2階より上は必ずしも外から店内が見えなくても良い場合があります。むしろ、外観を特徴付けるデザインが求められます。 かわさき画材ではガラスの内側にアルミのパンチングメタルを入れています。外部からはガラスとアルミのメタリックな表情、内側からはパンチングの孔を通して外の様子が微かに見えるようにしています。窓の開閉のためにパンチングメタルも開閉する必要があるため、網戸用のアルミ型材を利用して製作しました。 夜間は店内の明かりが、パンチングの孔を通して浮かび上がることも考慮しました。写真は設計時の模型での検討の様子です。 パンチングメタルの開口率(孔の直径とピッチ)は、図面だけでは確認できないので実物サンプルを数種類作成して、比較検討して決定します。 このような現場で判断する事項も監理の重...
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コラム015|本は断熱材?

たくさんの蔵書を納めるために壁一面を本棚にしました。本棚を家具でつくるのではなく構造そのものが本棚になっています。 通常、内壁のボードを張ってしまうと隠れてしまう間柱を最初から大きくしておいて、それに棚板を渡しています。これでは壁の中に隠れている筋違や断熱材を入れることができません。そこで筋違の代わりに柱の外側に構造用合板を張って、その外側に断熱材を入れてから外壁の板を張っています。いわゆる外断熱ですが温熱環境的な視点ではなく、求められた機能を満足させるために導き出された結果このようになりました。 室内は構造用合板の裏側がそのまま見えているので、本の背表紙が仕上材となっています。全ての内壁を仕上げるには、もっと蔵書を増やさなくてはいけません。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ 関連記事 こちらもご覧ください コラム目次
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コラム014|見せる収納・見せない収納

住宅収納の永遠の対決テーマ「見せる収納vs.見せない収納」 収納扉で隠れてしまう「みせない収納」は部屋がスッキリと片付きますが、どこに何をしまったのか分かりにくくなります。 本・CDなどの大きさが揃ったものは「見せる収納」でも部屋のインテリアに溶け込んで違和感がありません。背表紙を見ながら本を選ぶ時にも、扉がない方が便利です。筆記用具やリモコンなど、小さくて不定形のものは部分的に見せない収納をつくって隠すといいでしょう。 廊下など大きな壁一面、天井いっぱいの収納扉としておけば、閉めるとフラットになり収納の存在感がなくなります。 リビングに小上がりの畳コーナーを作ったときには、その段差を利用して床下収納を設けることがあります。少しでもたくさん収納できるように、畳の奥行きいっぱいの長い箱をキャスターで転がして出し入れするようにしたこともありますが、あまり長いと奥の物が取りにくく、少しでも角度がずれると真っ直ぐに入っていかないので、最近では重量用スライドレール(引出レール)をつかって適度な奥行きの引出を設けるようにしています。 扉の中...
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コラム013|土蔵の中の光る壁

壁が照明器具に変身 土蔵を住宅とショールームに改修した例です。土蔵は本来、倉庫あるいは醤油の醸造所として利用されていたもので閉鎖的な大空間が特徴です。改修の設計においては既存の建築の持っている特質をうまく利用することによってその空間的な魅力を引き出すことができます。 [写真上/八幡の土蔵][写真下/直源醤油ショールーム] 大きな空間の中に新たな機能(店舗スペース・トイレ・浴室など)をボックス状にまとめ蔵の中に配置しました。そのボックスの一面を不透明なガラスで覆い、照明をつけると暗い蔵空間にボックスが行灯のように発光するようになっています。また計画上、窓を設置できなかったトイレや洗面所が閉鎖的にならないように不透明なガラスは柔らかく空間を仕切っています。 大きな切妻屋根の空間の中に小さなキューブ状の箱。濃色の材料の空間に白木のスペース。薄暗い中に光る壁。旧いものと対比的に新しいものを配置することによって、新旧それぞれの良さを補っています。  照明計画について、ご質問・お問い合わせはこちら 関連記事 こちらもご覧ください コラム00...
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コラム012|リノベーションの現地調査

まずは現状把握から 既存住宅の改修は、現状調査から始まります。古い平面図が残っている場合もあるのですが、現状とは異なっていたり、構造の図面が無いことの方が多いと思います。 間取りの調査と平面寸法、断面寸法、構造材の位置と寸法を実測します。床下や天井裏を部分的に解体しなければ梁の配置や寸法がわからないので、最小限の範囲で仕上材の解体をして中の様子を確認します。調査が不十分だと工事が始まってから設計変更が必要となり、工事費と工期に影響します。また、天井に隠れた木組みの美しさを発見して、設計の方針を決めるきっかけにもなります。 テレビ番組のような派手な解体作業とはほど遠い、地道な調査作業です。木造在来工法の住宅は解体しやすいつくりになっているので、何度か経験すると解体する勘所がわかってきます。 設計段階では施工業者が決まっていないので設計事務所で調査作業のための解体をしなくてはいけません。調査から現況図面を作成して、「できること」と「できないこと」を見極めてから設計に取りかかります。  リフォームのご相談は、こちらからどうぞ ...
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コラム011|浴室は特等席

庭と連続させて露天風呂の気分 住宅の中で特等席はどこでしょうか。景色の良いところや、日当たりの良いところに特等席をつくりたいですね。この住宅は東西に細長いので、ほとんどの部屋が日当たりの良い南に向いています。浴室も南に面していますので、青空を見ながら休日の昼間に入るお風呂も気持ちよさそうです。 [写真上/田園の二世帯住宅]浴槽に入ると天井いっぱいまでガラスになっていて坪庭が見えます。坪庭の材質感のあるマヂックコートの塗壁がそのまま浴室の壁に連続してつながっているので、浴室と坪庭が一体的になり、より開放的に感じられます。浴室の壁と天井はヒノキ張りです。メンテナンスをきちんとしないと、すぐに痛んできますが、日当たりが良いので浴室はいつも乾燥しています。 坪庭から見ると浴室がまるみえです。もちろん、坪庭には板塀の目隠しと、ガラス面にはロールスクリーンがついていて外から見られることはありません。板塀は風通しを確保しながら、隙間からのぞかれないように、設計図で検討してあります。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ 関連記事 こちらもご...