コラム023|設計のプロセス-基本設計:住まいの骨格を作る大切な時間

設計のプロセス-基本設計:住まいの骨格を作る大切な時間コラム
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要望の整理

設計とは、間取りや外観の図面を書く作業と思われるかもしれませんが、それだけではありません。図面を書くためには、建て主の思いを実現するために、たくさんの情報を引き出さなくてはいけません。建設予算や必要な部屋数などはわかりやすい情報ですが、どのような生活を望んでいるのか?今までの住まいの問題点は?家族みんなの意見を集約し、時には相反する事柄を整理して解決して行く必要があります。

設計打合せ

最初に、建築主情報として家族構成や予算計画、要望等を記入してもらいますが、全ての要望を明確に把握している場合は少なく、細かい要望事項などは打合せの中で見つけ出していきます。打合せの中のちょっとした会話の中に手がかりが隠れている場合もあります。手持ちの家具の寸法を測ったりする内に、新居でも利用する家具、処分する家具等を見直すこともあります。建て主によっては気に入ったイメージ写真をスクラップでまとめていたり、パワーポイントで要望事項を逆にプレゼンテーションしてくれる人もいます。お互い、対等な立場で意見を出し合うことによって家造りがうまく進むと思います。

基本設計 要望の整理

 

基本プランの作成

建て主の要望や、その他の条件をもとに基本プランの検討・打合せをおこないます。建設地によってさまざまな法令の規制がかかっているので、それらをクリアしつつ敷地の周辺環境や街並みも考慮して最適と思われるかたちにまとめます。単なる「かたち」や「間取り」の組み合わせではなく、各部屋の大きさやつながり、室内と外部空間との関係性など図面や検討用模型を使って検討と確認を繰り返します。

打合せは、事務所にお越しいただくか、建て主のご自宅などにうかがっておこないます。お勤めなどの関係で、夜間や土日などの休日しか打合せの時間がとれない場合は、できるだけ対応しますのでご安心ください。一般の住宅で2~3ヶ月に渡り、1~2週間に1回程度の頻度で打合せをおこない基本設計を一緒に創り上げていきます。

基本設計打合せ

 

道路斜線や日影による高さ制限などは建物形態に関わるため真っ先に検討します。規制が厳しい場合は、解決策はいくつかに集約されることが多いですが、郊外の敷地で周辺環境がまだ整っていない地域などでは手がかりを見つけ出すことが難しくなってきます。その場合は必要な空間の配置と外部空間のあり方を数パターンを比較検討します。

基本設計 比較検討

平面図は、住まいの機能的な動線を決定づける要素なので徹底的に打合せをおこないます。外観的なイメージは縮尺1/100の検討用模型で確認していきます。

何度もの打合せを重ねて、住まいの骨格を作るための作業が「基本設計」といえます。