キッチンは設備機器?家具?
家具と考える方が楽しくなる
仕上工事もほぼ終わり、家具の設置が始まりました。キッチンはTOTOなどのキッチンメーカーの既製品を使うこともありますが、クライアントの使い勝手に合わせて細かい寸法や仕上などを指定する場合は、既製品では対応することができないので、家具工事での製作した造作キッチンを設置することになります。キッチンは実用的な調理のための機器ではなく、日々の暮らしを楽しくするための家具と考えたいですね。
造作キッチンの場合は、他の製作家具や建具の仕上材料と揃えて家全体に統一感を出すことができます。今回はブナの練付合板を使い、天板はシンク一体型のステンレスです。練付合板とは本物の木を薄くスライスして合板に張り付けた化粧合板です。一般的に家具や建具の材料として使われます。
キッチンの組立
家具施工業者の工場で分割して製作したキッチンの台となる箱を、現場で組み合わせてステンレスの天板を乗せていきます。
収納扉や引出をセットしてキッチンの全貌が見えてきました。
この後、設備業者によってガスコンロや水栓を取り付けて完成です。シンクの幅は広めにして、周囲に段差を設け、その段差に水切りプレートがぴったりはまるようにしています。
ガスコンロは以前にも使ったことがある、全面ゴトクになったものです。レトロな感じで、長い間デザインが変わっていない商品です。
造作キッチンをつくるために必要なこと
家具の図面は、設計段階から施工図レベルで書き込み、そのまま家具施工者と打ち合わせて製作してもらいます。本来は、家具施工業者が作図した施工図を設計者がチェックして、訂正→承認。の流れで進めるのですが、施工図の作成やチェックのやりとりに時間がかかるので、最初から詳細な設計図を設計者で作成しておくことで時間の節約と、設計意図(デザインの意図)が施工者に伝わります。
玄関ドアもつきました
米杉の玄関のドアも取り付けが完了しています。ドアの両脇は防犯ペアガラスです。あえて透明ガラスにすることによって、内外の連続感を出す意図があります。