大場町のアトリエの1年検査

大場町のアトリエ ガラス越しのキッチン業務日誌
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1年検査とは

建物の各部が馴染んだ頃に再点検

昨年、設計監理を行った大場町のアトリエの1年検査を行いました。建物が完成してから1年後に、施主、施工者、設計者が一緒に建物の不都合を是正するために検査をすることです。

設備機器などは製品そのものに1年保証などのメーカー保証がついていますが、建築は様々な部材を現場で組み合わせて作られるため取合部などで不具合が出てくる可能性があります。主に、建具の建て付けや、壁際の隙間など。冬と夏を経過し、部材の収縮が落ち着いた頃に点検をすることによって竣工時には気がつかなかったけれど、使っていくうちに不具合が見つかった箇所もでてきます。

今回は、玄関引戸の鍵の掛かりがよくないため建具の建て付け調整。壁の隙間の目立つところの板の張り替え。内部建具のハンガー引戸レールの調整をすることになりました。後日、建具屋さんと大工さんの日程調整をして手直しをするようになりました。

追加の工事が発生しない限り、通常1年検査に伴う是正工事は無料です。

 

施主の暮らしぶりも再点検

1年検査では、建物の検査だけではなく、雑談の中から1年間過ごした暮らしぶりも再点検します。実際の使い勝手の感想や、新しい空間をうまく使いこなしているかなど今後の設計のヒントとなることもあります。

施主は、金属と木を中心としたアクセサリーをご夫婦で作られている作家です。前の投稿で紹介した金澤誌にも掲載されています。

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吹抜のショップスペース。ラワン合板の壁が少し焼けて、既存の土蔵に馴染んできました。

大場町のアトリエ

 

玄関を入った正面には、ガラス張りのキッチンがあります。

大場町のアトリエ ガラス越しのキッチン

 

工房スペースでは工務店の奥田さんと施主が打合せをしています。

大場町のアトリエ1年検査で施主と打合せ施主と打合せ

 

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