末町の家

掲載

ウエスト(建築金物)の施工事例に掲載されました

住宅では、ほとんど引戸にすることが多いので、ドアハンドルを使う機会があまりありません。末町の家のリノベーションでは、何箇所かドアにしたためレバーハンドルを使用しました。シンプルなデザインのウエスト社のレバーハンドルです。施工事例としてwebサイトに掲載していただきました。 玄関から奥のキッチンに繋がる廊下に、収納・トイレ・洗面所のドアが並んでいた壁一面にオーク材のパネルを立て、ドアをフラットな形状で入れ込みました。ドアとしての開口部では無く、壁面の一部としての開口部とするために空間に主張しない金物を選定しました。 内開きのドアを開けると、トイレ・洗面所の白い空間に繋がります。 ハンドルのは丸棒を折り曲げて、先端をつぶしたようなシンプルで愛嬌のある形状です。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
業務日誌

ルイスポールセンのスノーボールがつきました 末町の家

昨年、リノベーションした末町の家の玄関ホールの吹抜に、ようやくペンダント照明がつきました。ポール・ヘニングセンがデザインしたルイスポールセンのPHスノーボール、どの角度から見ても中の光源(電球)が見えず、シェードの隙間からきれいな明かりがもれてくる、大変美しい照明器具です。 設計時から、クライアントが希望されていた照明器具ですが、かなり高価であることと、この空間に本当にマッチするのかどうか決断できないまま、竣工から1年半が経過していました。先日、ルイスポールセン社から格安で購入できるセールの案内が届き、クライアントに相談したところすぐに購入の意思が固まり発注することになりました。 セール品と言うこともあり、一刻を争う発注になると思い、電話でクライアントと電源コードの長さの打合せをして寸法を決めました。長いペンダントコードをたぐり寄せて長さを調整したものと違い、ジャストサイズで真っ直ぐにぶら下がるペンダント照明は気持ちがよいものです。 最近は、リプロダクト、ジェネリック(意匠権の期限が切れたデザイナー家具・照明を復刻生産したものと定義づけられていますが・・・)と称したデ...
コラム

コラム045|ネコの脱走防止柵を下駄箱と一体にデザイン

オリジナルデザインの家具で機能を付け足す ネコを飼っている家で問題になることは、爪研ぎによる壁や家具のキズと、玄関からの脱走の防止です。 キズの防止には、しつけやカバーなどの対応が可能ですが、玄関からの脱走は対応が難しいですね。玄関戸の前にフェンスの衝立を置いて対応している家も多いと思いますが、あまり格好の良いものではありません。 末町の家ではリノベーションに合わせて新設した下駄箱に折りたたみ式の柵を一体化しました。玄関から見ると下駄箱と同じ高さの柵が玄関ホールを隔てています。柵はキズがつきにくいように、タモの無垢材で作ってあります。 玄関ホール側から見ると、意図したわけではありませんが既存の格子玄関引戸にうまく調和しています。 折りたたみの収納途中の状態です。丁番で二重に折れ曲がるようにしています。 下駄箱の側板に沿って収納された状態です。 毎日動かす所はシンプルな機構で 柵を閉じたときに、ロックする方法を考え、いろいろな金物を検討しました。シンプルな機構が一番使いやすいと思い...
コラム

コラム035|直感力で答えを見つけ出す

最初の直感が大切 人との出会いや、お気に入りのものなど、いろいろ検討した結果第一印象で気に入ったものに戻ってくることは良くあることですね。 設計でも、最初の提案から打合せを重ねるうちに計画案が変更していきますが、最終的に第一案に戻ってしまうことも良くあります。建築の設計は、クライアントの要望や法的な条件を、ただ単に積み上げてできるものでは無く、さまざまな条件から問題点を見つけ出す作業でもあります。その最初の直感で出した案が最終的に気に入ってもらえると、出した答えが正しかったと嬉しくなります。 末町の家のリノベーション 要望をうかがって、最初に出した提案のスケッチです。和室の続間と洋間のダイニングキッチンがある一般的な木造住宅のリノベーションですが、壁面や家具のパネル化によって要素を単純化し、現代の生活に合うようにスッキリとした空間にしました。大きな間取り変更をしないで工事費も抑える提案です。 提案スケッチの右上のLDK部分です。造り付けソファーは無くなりましたが、ほぼ計画通りになりました。 提案スケッチの下の図をキッチン側から見た写真です...
業務日誌

竣工図の製本ができました

建物が竣工してから、だいぶ時間が空いてしまいましたが、ようやく「東山の家2」と「末町の家」の竣工図の製本をしました。本来は、建物完成後に速やかに作成するべきですが、連続して次の業務を行っていたため遅れてしまいました。 一般に図面といわれる「設計図」は、設計者が作成し、施工者が見積と工事を行うための図面です。工事中には、施工者や専門業者が実際に製作するために必要な寸法図や製作図を作成します。これが「施工図」といわれる図面で、細かい納まり寸法や、使用部品の品番など明細に記入したものです。「竣工図」とはこれらの「設計図」や「施工図」を実際に施工した通りに反映させた最終図面のことです。 設計図、施工図を含めた最終竣工図は、「東山の家2」(木造2階建ての新築)で約125ページ、「末町の家」(木造のリノベーション)で約45ページの図面になりました。 設計図に関する訂正は、設計者の責任において自ら図面を直します。といっても、設計時に納まりや仕様部材はほとんど決めてあるので、部分的な訂正や決定した色番号などを追記するだけで済みます。設計図の訂正も施工者に任せてしまう設...
業務日誌

施主検査・監理者検査 末町の家

予定通りの工期が過ぎ、施主立会のもと、施主検査と監理者検査を兼ねて行いました。設計の仕様通りに仕上がっているか、各所をひとつずつ確認していきます。不都合な箇所は付箋を貼っていき施工者の現場監督が記録をとっていきます。後日、是正工事を行って引渡の予定です。 居室のひとつの壁面は、入口ドアと同じホワイトオークの材料で収納等をフラットな面で納めました。壁全体が、ひとつの家具のように見えることを意図しました。 キッチンの収納は無印のシステムキッチンと統一感が出るように、こちらもホワイトオークの材料でつくりました。他の家具や建具は木目を縦使いにしていますが、キッチン収納のみ木目を横使いにして、横目使いのキッチンと揃えています。カウンターの上段の引出の高さもキッチンの引出の高さと揃えて連続感が出るようにしています。既製品と造作でつくる家具を違和感なく並べることができました。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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照明器具が付きました 末町の家

今月末の完成に向けて器具付けが進んでいます。 照明器具は、小口径のLEDダウンライト。いつもの定番品。 リフォームしない部分の照明器具も、クロス張替に合わせて更新しました。こちらはソケットを直付けしたような器具にLEDボール球を付けただけのもの。天井、壁どちらにも使えてシンプルな形です。こちらも定番品。 電球は、真ん丸なボール球の電球に近い形の東芝製です。設計図に電球の品番も書いて指定してあります。他のメーカーの電球は微妙なくびれや、放熱のためのスリットがあって格好が悪いからです。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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無印キッチンが付きました 末町の家

内装工事も、フェザーフィール塗(しっくい塗)の下地、和紙クロス貼り、キッチンパネル張りが順次進行して、キッチンが取り付けられました。今回設置するのは、初めて使う無印良品のキッチンです。 無印の収納家具などと同じオーク材のキッチンです。キッチンの納入に先行して工事が進む、家具や木製建具の材料をできるだけキッチンの素材感に合わせるために、ウチにある無印の収納家具を参考に選定したオーク材の練付合板と合わせてみました。 ほぼ同じような色彩で一安心です。 後は仕上げの工程です。 今回、リフォームしない2階の部分も、壁・天井は和紙クロスに張替え、明るい感じになりました。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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家具工事 末町の家

内装のボード張りに引き続き、家具工事が始まりました。 壁に設置する本棚はボード張りに先行して取り付けられました。壁一面の本棚は、コストコントロールのため家具施工者ではなく、大工さんの加工によるものです。家具施工者がつくる家具は、木の細い桟で骨組みを作り、そこに化粧合板を張り付けて箱を組み立てていくため軽量で繊細な仕上がりになりますが、費用も多くかかります。 大工さんがつくる家具は集成材の板をカットして組み立てていくだけのため費用を抑えることができます。側板に溝を切り、シナ合板の棚板を架け渡した簡易引出も図面で寸法をきちんと指示しておけば問題なく仕上がります。 ボード張りが終わったところから、家具施工者が現場採寸をしています。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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ボード張り 末町の家

年末で大工工事も一段落して、年明けから内装のボード張りが始まりました。 今回初めての試みとして、工務店からの提案によって天井下地にLGS(軽量鉄骨)を使いました。当初は木造住宅には木下地が当然だと思っていましたが、LGSの方が作業が早く、石膏ボード張りも同じ業者がまとめてに施工するのでコスト的にも有利とのことでした。 作業を見ていても特に違和感もなく、吊ボルトでレベル調整しながら下地を組むことができるので精度的にもメリットがありそうです。ボード張りも若い職人さんが黙々と作業を進めています。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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現場打合せ 末町の家

職人さんの作業がお休みの日曜日に、現場でクライアントと打合せをしました。ベニヤ板をテーブル代わりに、クライアントご夫妻と現場監督で仕上げ材の決定や工程の確認をしました。 じつは、着工してからクライアントが現場を見られるのは、今回の打合せが初めてです。現在、県外に住まわれているため頻繁に現場打合せができないのです。以前(10年ほど前)にも、同じようなことがありましたがメール、電話、FAXでのやり取りで無事に工事を完了しました。 現在は、facebookやスマホのメッセージで気軽に写真添付をして、ほぼリアルタイムで内容を確認できます。現場状況を細かく確認できないクライアントとの意思の疎通のため、今回は専用の打合せ用blogを作って、工事の進行状況の報告や打合せ図面をアップして、それを基に電話で打合せをする体制を作りました。もちろん、IDとパスワードを入力しないと中を見ることができないようにしてあります。 実施設計の後半からこの体制を整えたのですが、blogに図面と画像をアップして、カタログのリンク先URLを張っておけば直接メーカーサイトへ飛...
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床暖房・フローリング張り 末町の家

床暖房パネルが設置され、フローリングも張り始めました。 タモのフローリングです。床暖房を設置してあるので無垢材のフローリングでは無く、合板の表面に本物の木材を貼り付けた複合フローリングですが、表面の木材(単板)は2ミリの厚みがあるものです。 割付施工図を基に、きれいに張ってもらいました。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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現場打合せ 末町の家

大工さんを交えて、現場監督と打合せをしました。 設計監理者は、クライアントと施工者の間に立って設計意図や要望を伝え、正しく工事が行われているかチェックする役割がありますが、現場監督は職人と設計監理者の間に立って、各業種毎に作業内容を割り振って工事がスムーズに進むための重要な役割を持っています。 浴室、洗面所廻りの外壁の下地の腐食が激しく、その部分の外壁を撤去することになりました。改修工事は現場の確認と問題点に対する素早い判断が必要です。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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解体工事が終わりました 末町の家

既存の床は、廊下、たたみ、台所、それぞれ高低差があり、レベルをフラットに揃えるのと床下に断熱材を入れるために、一度床を全て撤去しました。 壁の内装材も剥がされ、土台の腐食など構造体のチェックをしていきます。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ
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解体工事が始まりました 末町の家

計画を進めていた「末町の家」の現場がスタートしました。築30年の住宅のリノベーションです。 まずは壁や床の撤去作業です。テレビ番組のように設計者が解体作業をすることはありません。専門の解体業者によって作業が進められます。 和室の解体状況です。壁には、今の基準には満たない薄いグラスウールの断熱材が入っています。床下と天井(屋根)には断熱材は入っていませんでした。現在は断熱材で囲まれた住宅があたりまえとなっていますが、ここ30年で断熱に対する考えが大きく変化したことがわかります。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ