円光寺の家は、コの字型の平面形状で、隣地へ屋根雪を落とさないように3つの屋根が中庭に向かって勾配をとっています。正面から見て勾配屋根を見せずに水平ラインを通してスッキリと見せる意図もあります。
建物の長手方向に傾斜をとるために緩勾配の屋根となり、屋根と壁の取り合う箇所は、雨仕舞いの重要な部分です。現場で板金屋さんにモックアップを作ってもらい納まりの検討・打合せをおこないました。壁沿いの屋根の雨押さえ板金の水下側で、壁内に水が入らないようにする、壁止まり役物といわれる部分です。
打合せ時に、一時的な土砂降りとなり、モックアップの水切の具合を確認するチャンスとなりました。壁側へは水は回らず、うまく機能していることが確認できました。
後日、全ての屋根が葺かれました。
壁止まり役物も、きれいに納まりました。
立てハゼ葺のハゼ部分に金物を取付けて雪止めアングルが設置されています。雪止めは、部分的に積雪荷重が集中しないように、屋根全体に均等配置しています。外部から屋根勾配が見えないため、アングルは亜鉛メッキのままの色としています。経年変化でシルバー色から、鈍いグレー色に変化していきます。
屋根に開いている穴は、バルコニー部分です。