ライフスタイルをたかちに
「設計という行為の中でやりたいことはいっぱいあるが、まず施主に満足してもらうことが一番大切。その人のライフスタイルをかたちにしたい」と話すのは、家山真建築研究室を主宰する建築家の家山真氏。
「こつこつ住宅や店舗をつくるのが自分の仕事。施主の要求を満たす中で、言いなりになるのではなく、デザインや生活の工夫を提案したい」と常々考えている。
そんな思いを体現したのが、金沢市大野の醤油蔵をショールームに改修した作品だ。古い蔵の外観はほとんどそのままに、内部に白木を多用し、新旧を対比させた。「白木でつくったブースを並べることで、醤油樽のイメージを演出した」という意欲作。
富山県福岡町の住宅では、雨や雪を防ぐ実用的なゲートをデザイン面で強調し、「散居村」にある住宅のイメージを演出。金沢市大桑のアトリエでは、間柱をそのまま活用して本棚をつくり、蔵書の多い施主に喜ばれたそうだ。
「建築は、住む人や使う人のライフスタイルがあって成立している。それを具体化していくのがわれわれの仕事。その中で、建築家としてプラスアルファの付加価値を付けていくことが腕の見せどころ」と強調する。
富山県小矢部市出身。石川高専建築学科から、豊橋技術科学大学大学院へ。名古屋の設計事務所に4年居て金沢に。