画材店は無数の細かい商品を扱うため、多くの商品陳列棚が必要とされる。また、画材の搬入搬出時に車への積み卸しも考慮する必要があった。
金沢市中心部に近いこの敷地は、道路に対して角度をもった敷地割りのため変形した狭小敷地となっている。1,2階はスキップフロアによる4層分の店舗スペースとし、吹抜を中心とした一体空間となっている。2,3階の外壁はガラスのカーテンウォールとし、その背面にアルミパンチングメタルを挟み込み、外部に対しては落ち着いた表情を見せると共に、夜間はパンチングの隙間から店内の照明が浮かび上がるようになっている。
道路に対して角度の振れた変形敷地のため、建物前面の駐車スペースに隣地建物の側面が大きく見えます。隣地境界にコンクリート打放の塀を設け、隣地との境界を明確に示し店舗まで誘導しやすくしています。1,2階は店舗、3階は倉庫になっています。
玄関ポーチは荷物の搬出入のため、庇を大きくとり、入口右側に連続する部分はショーケースになっています。豊富な岩絵の具を色がテーマの画材屋のサインとして、そのまま店舗フロントに配置しています。
内部から見ると岩絵の具のカラーが光に引き立ちます。
店内は吹抜を中心とした4層のスキップフロアになっています。細かい無数の商品があるため、柱の奥行き分を全て棚板として、商品陳列スペースを確保しています。棚板内部は耐久性を考慮して、フレキシブルボード(セメント板)素地で仕上げています。
スキップフロアを繋ぐ階段は、吹抜を中心に重要なデザイン要素になるため、段板端部のササラ(ボーダー)はスチールフラットバーの平使いとして、薄く見えるようにしています。
正面のカーテンウォール開口部の内部には、アルミパンチングメタルをはめ込んだ開閉式の障子を設けています。
カーテンウォールのガラス背面には全てアルミパンチングメタルをはめ込み、外部に対しては落ち着いた表情を見せるとともに、夜間はパンチングの隙間から店内の照明が浮かび上がるようになっています。