築35年の住宅の玄関からリビングスペースおよび、隣接する大正末築の土蔵の下屋スペースのリフォーム。住宅の玄関に続く土蔵の入口の雰囲気を活かした書斎・応接・ミニギャラリースペースとすることを中心に計画がスタートした。
住宅玄関戸土蔵下屋スペースにあった建具を取り払い、一体的な空間にした上で、下屋スペースの突きあたりにあった古い帳場を復元して書斎コーナーとした。そこから玄関部分に続く壁面にカウンターを連続させ、接客・ミニギャラリースペースとした。玄関にあった既存の下足入は撤去し、玄関と土蔵の下屋空間を緩やかに仕切るための下足入のボックスをその間に新設。天板は厚さ3ミリのバイブレーション仕上ステンレスとし、上部に設けたダウンライトの光を拡散反射する装置を提案した。
玄関は既存の竿縁天井を残してリフォームしました。玄関右側には大正末築の土蔵があります。玄関と土蔵の下屋空間を緩やかに仕切るために単純な形態の箱(下足入)をその間に設置しました。
玄関引戸は既存のまま利用し、両袖壁を玄関戸と同じ格子で作り替えました。下足入れのボックスの天板は、厚さ3ミリのバイブレーション仕上げステンレスです。玄関口での宅配の受取などの小さなカウンターとして機能する共に、その真上に取り付けられたダウンライトの光を拡散反射して玄関空間全体を柔らかく照らしています。
住宅の玄関を土蔵の下屋空間と一体化させ、蔵の雰囲気を活かした書斎・ミニギャラリーなどの接客空間とし、住宅玄関から続くカウンターを設置しました。突き当たりの、かつて帳場だった部分は書斎として利用しています。建具は傷んだ部分を修復し、飾棚などは古いまま残してあります。
下屋空間の床板、右側の土蔵の扉と外壁は既存のまま利用しています。これまで閉ざされていた土蔵入口空間が生活の一部として積極的に活かされるようになりました。