日照

業務日誌

最初の基本設計打合せ 円光寺の家

具体的な土地が決まり、計画を進め始めて2週間後の最初の計画案の打合せですが、すぐにプランの方向性が固まりました。最初にお会いしてから約半年の間に、現在の住まいの問題点やなどを伺っていたこともあり、要望をうまくプランに落とし込むことが出来ました。 建物の高さなどのボリュームや構造計画の検討は必要ですが、限られた敷地面積の中で、最大限の建ぺい率の活用と、日当たりの良い居住空間を目指しました。 最初の提案では、基本的に最適だと思われる一案のみ提示するようにしています。(場合によってはクライアントに対してプランの比較検討を提示することが必要だと思われる場合は、考え方の要点の異なる複数案を提示することもあります)平面図と、主要な空間のスケッチ(手書きの一点透視図)で空間のつながりや見え方をクライアントと共有します。 プランの打合せでは、単なる間取りでは無く、その空間で行われる行為を想定して、家具の配置や開口部の位置を早い段階から確認するようにしています。  ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ 関連記事 こちらもご覧ください 業務日誌|敷地調査 サ...
業務日誌

敷地調査 サン・サーベイヤーで太陽軌跡の確認 円光寺の家

敷地選定の段階から相談に乗ってきた円光寺の家も、敷地が決定して無事に計画を進めることになりました。正式な測量図は、まだできていませんが、敷地の周辺状況の確認をしてきました。 道路から敷地の中を見た状況と、敷地の中から周囲を見た状況を撮影します。パソコンでパノラマ合成をするために、敷地の中央に立ち、少しずつ角度をずらしながら撮影していきます。設計中に敷地状況を思い浮かべるために、広範囲の連続写真にしておきます。(田んぼの中のようですが、草が生えた敷地の中に立っている状況です。) iPadのアプリ『サン・サーベイヤー』で、太陽の位置も確認するため、太陽高度の一番低い冬至に日付をセットして、太陽の軌跡をカメラで撮影した画面に合成して見ることができます。今、はやりのAR(Augmented Reality:拡張現実)、iPadの現実世界の映像に、太陽の軌跡を重ね合わせて表示させる技術です。今までは、計画した建物のSketchUPの3Dデータに太陽光を適用して日射のシミュレーションをしていましたが、現地で直感的に確認できるのは便利です。周辺建物と太陽の位置関係...
コラム

コラム002|直射日光と窓

住宅の計画において、採光は基本的なポイントです。誰もが明るい家を望みます。 建築基準法では居室の床面積の1/7の採光窓面積が必要とされ、8帖の部屋の場合約1.9平米(例えば幅1.9m×高さ1m)の窓が必要です。厳密には窓の位置条件(高さや隣地からの距離など)によって採光補正係数を考慮するため、必要な窓面積は変化します。 窓の大きさは、法的に求められる面積を確保することは必要ですが、実際には室内と外部空間の関係性によって決められます。庭やテラスに出入りするための大きな窓や、風景を切り取って見る小さな窓、風の通り道を確保する窓など必要とされる機能とデザインによって決められます。 北陸ではだいたい冬の太陽高度は32°、夏の太陽高度は78°くらいです。寒い冬は暖かい日差しが室内に差し込むと快適ですが、暑い夏には日差しを遮りたいものです。リビングの南の窓側に吹抜をつくり、屋根の軒を出すことで直射日光をコントロールできます。夏は軒が日差しを遮り、冬は吹抜上部の窓からの日差しが部屋の奥まで差し込んでくるのです。 写真は田園の二世帯住宅の冬の日射しです。 ...
業務日誌

基本計画案検討 東山の家2

金沢市の東山にある住宅の建替え計画です。 4m以下の前面道路と、両側には隣家が建ち並んだ悪条件です。基本的に平屋建てという要望の住宅のため、3Dで日照シミュレーションを行って居住性の確認をしています。googleマップから切り出した地図上に重ね合わせて、近隣の建物ボリュームを立ち上げて影の様子を確かめます。 南側隣地には2階建ての住宅があるため、どうやっても冬には1階のリビングに日差しが入りません。2階の納戸に吹抜を設けて、間接的に日差しを得るプランで最初のプレゼンテーションを行いました。