南砺市の家

コラム

コラム050|車と玄関の関係

車の置き場所 北陸などの地方においては自家用車は必需品です。出勤や買い物など日常的に車を利用します。以前も、車の乗り降りにガレージや庇の必要性について書きましたが新しい事例を交えて紹介します。 以前の記事は、こちら。 南砺市の家は、散居村といわれる、一軒毎の農村住宅を中心に周辺に田圃が広がる地域に建っています。日常の主な交通機関は自家用車になるため、玄関は主に来客用のものとなり、家族はガレージに入った車から直接住宅内へ入ります。全体は黒いガルバリウム鋼板の外壁ですが、人が近づく玄関廻りのみジョリパットの左官仕上げとしています。 内玄関は玄関と仕切って隠す 玄関アプローチは4帖分の広さで、大きな屋根で雨や日差しを遮り来客を迎え入れる設えになっています。ガレージ内から連続する内玄関は、住宅内で玄関と引戸を介して連続し行き来することができます。家族の下足入も内玄関内に設置して、来客の目に触れず、内玄関まではスロープでつなぎ、荷物の運搬や車いすも使いやすいようにしています。 右側の3枚引きの木製引戸がガレージの出入口です。外観にシャッターが並ぶ住宅は景観上も好ま...
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コラム047|勝手口は家庭の表玄関

プランニングのよっては設けられないこともありますが、住宅のキッチンやユーティリティーに勝手口を設けることが多いと思います。勝手口の機能的な役割はどのようなことがあるのでしょうか。 玄関が来客を迎え入れる表舞台だとすると、勝手口はゴミ出しなどの家庭の裏動線としての役割があります。来客の目に触れたくない、洗濯やゴミ出しなどの家庭内のプライベートな機能を持った出入口です。来客を迎え入れる玄関が、アプローチ空間や庇のある半屋外的な空間が必要なように、プライベートな勝手口にも半屋外的な空間が必要です。家事動線の一部として勝手口を設けることが多いと思いますが、内部空間と外部空間の接点となるためドアを開けると風雨が吹き込むことは避けたいところです。 勝手口の事例 キッチン背面の引戸を開けると廊下を経由してサービスヤードに出ることができます。サービスヤードは3帖の広さを持つ、屋根のある半屋外空間です。ゴミ置き場や野菜の屋外保存スペースとして利用されています。 建物の一部がくびれて屋根に守られた半屋外空間を確保しています。勝手口のドアも外壁に向かっ...
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コラム041|浴室はユニットバスそれとも在来工法どちらにするか

浴室の種類 住宅の浴室をどのようにするか、大きく分けて二種類の選択肢があります。「ユニットバス」か「在来工法浴室」です。 現在では、ユニットバスの方が一般的だと思いますが、床・壁・天井などのパネルや浴槽のパーツを現場で組み立てて浴室を作る工法がユニットバスです。主に樹脂パネルでできたパネルのため、掃除のしやすさや水漏れの心配も少なく、断熱仕様のパネルや浴槽を使えば短期間で性能に優れた浴室ができあがります。しかし規格の数種類の寸法から選ぶ必要があり、パネルの質感なども本物のタイルなどに比べると劣る場合があります。 在来工法浴室とは、コンクリートやモルタルの下地に防水を施し、床や壁にタイルや石を張って仕上げる工法のことです。浴室の寸法や仕上材料も自由に設計することができます。自由度がある反面、施工の不具合などにより、水漏れやタイルのクラック(ひび割れ)などの心配があります。 在来工法浴室の例 在来工法の浴室の場合、浴室と洗面所を透明な強化ガラスで仕切り、開放感のある空間にすることによって浴室の狭苦しい感じを緩和することが比較的容易にできます。床は白い大理石...
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コラム040|玄関戸は重厚感と素材感を大切に

毎日使うから、戸締まりと共に素材感も大切です 前回、ガラスを使って明るく開放的な玄関の事例について説明しました。コラム037|光のあふれる玄関は外との接点 しかし、開放的であると共に玄関戸は重厚感のある、しっかりと戸締まりのできるものにしたいですね。サッシメーカーのカタログを見ると、住宅用のアルミ玄関戸が、無数に並んでいますが、無個性で冷たい感じがします。玄関戸は毎日使うものなので、耐久性も大切ですが、素材感を生かしたオリジナルのものだと気持ちいいですね。 桂町会館では、米杉の板でドアを作りました。ドアは板のみで閉鎖的ですが、ドアの両側の壁はガラスで内外が見通せます。常時人がいる施設ではないので、ガラスは防犯ガラスを使用しています。外から続くデッキ材の床が玄関内部まで連続して、玄関ドアと共に暖かみのある雰囲気を出しています。 田園の二世帯住宅では、広い玄関ポーチの奥に、ヒバと栗の木材を交互に並べたドアで空間のアクセントにしています。ドアの両側には柱を建てて、大きなガラスと重厚な木製ドアをしっかりと支えています。ポーチの側面の壁はマヂックコート塗の...
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コラム039|いの一番の柱

柱には全て番号が付いています 「いの一番」とは、「一番最初」の意味で使われる言葉です。 語源には諸説あるようですが、大工さんが一番最初に建てる柱のことを「いの一番」と言ったそうです。建築では、通芯(とおりしん)と言われる基準のラインの中心に構造の柱を設定していきます。 木造では一般的に、3尺(910ミリ)毎に通芯を設定して、そのXーY方向の交点に柱が建ち、設計図ではX方向はX1,X2,X3・・・・、Y方向はY1,Y2,Y3・・・と通芯の番号を付けていきます。(場合によっては1,2,3・・・、A,B,C・・・の場合もあります) 実際に工事をするにあたって、設計図を基に木材を加工するためのプレカット施工図を木材加工業者が作成しますが、この施工図を見ると、設計図とは異なる通芯番号が付いています。X方向は い,ろ,は・・・、Y方向は1,2,3・・・しかも、番号の方向が逆です。プレカット業者によっても、この番号の付け方のルールが異なり、設計図と照合しながらチェックをするのが不便ですが、木材加工が機械化されても、現場で木材を組み立てるのは大工さんなので、今でも昔の慣...
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コラム037|光のあふれる玄関は外との接点

ガラスの使い方を工夫して明るい空間に 前回、玄関庇の大切さについての事例を説明しました。コラム033|玄関の庇もデザインの一部 玄関の中に入っても、明るく開放的な空間だと気持ちよいですね。 田園の二世帯住宅は、4帖の広さの玄関ポーチの奥の玄関ドアを開けると、さらに4帖の広さの玄関土間と、4帖の玄関ホール・廊下が広がります。 玄関ドアの両側は、複層(二重)のフロストガラスで外の光が充分に入ってきます。フロストガラスは、視線は遮りますが、向こう側の気配はうっすらと伝わってきます。玄関ドアは、栗とヒバの板を交互に張って製作したオリジナルデザインです。重厚な木製ドアとは対比的に、両側の壁は光を通すガラスの壁になっています。 南砺市の家でも、米杉の板張りの引戸とガラスの壁で玄関内部は充分明るくなっています。こちらは玄関引戸に加えて格子の網戸を設け、透明なガラスに格子戸が重なり視線をコントロールすることができます。 石引の家では、玄関引戸を全てガラスとしています。こちらは、道路面から近い位置に玄関戸があるため、フロストガラ...
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オンラインマガジンhomifyに掲載 南砺市の家・ガラス作家のアトリエ・石引の家

南砺市の家、ガラス作家のアトリエ、石引の家がオンラインマガジンhomifyに掲載されました。 「屋根にガルバリウム鋼板を使用するメリットとは」 の一つとして取り上げられました。 「スカンジナビアンモダンの魅力」 の一つとして取り上げられました。
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基礎コンクリートの強度試験結果 東山の家2

基礎コンクリートの1週目(7日)強度試験のデータがFAXで届きました。現場で採取した供試体3本を、圧縮試験機でコンクリートの供試体が破壊するまでの強度を調べた結果です。 コンクリート強度は4週(28日)経過後の強度をいうのですが、コンクリート打設から4週間後には工事が進み、それまで強度の確認ができないので1週強度から4週強度を推定してコンクリートの品質管理をします。ここで強度が出ていない場合は、コンクリートの品質に欠陥があると考えられます。実際には、1週でほとんど必要な強度が出ています。 1週強度から4週強度の推定式は 4週強度=1週強度×1.35+3 =25.7×1.35+3 =37.7 となり、設計基準強度の21N(構造体強度補正をしているので27N)を越えているのでOKとなります。 4週間後には再度、強度試験を行い確認をします。 (※写真は他の現場の強度試験の様子です) 直径10センチ×高さ20センチの円柱のコンクリートを試験機に挟み、圧縮強さを測定します。
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オンラインマガジンhomifyに掲載 南砺市の家

南砺市の家が、オンラインマガジンhomifyに掲載されました。 >>homify 360°: フレキシブルに間取りを変える「南砺市の家」
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1年検査 南砺市の家

南砺市の家の一年検査です。 竣工後、一年ちょっと過ぎましたが、建設会社の担当者、施主立ち会いの検査を行いました。夏・冬と季節を一巡し、各部の納まりや、建具の建て付けなど落ち着いたところで不都合箇所の補修をしてもらいます。 大きな不都合はありませんでしたが、一部、和室の造作材の収縮が大きく、対処してもらうことになりました。その他、木部の塗装や車庫の造作などのメンテナンスの打合せをしてきました。 ひと冬越えて、今までの住宅に比べて断熱性能が上がっているため、暖かい冬を過ごすことができて喜ばれました。
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竣工しました 南砺市の家

当初の予定より、少し遅れましたが無事竣工しました。 役所の完了検査も問題なく終わりました。一部の手直し工事を残していますが、来週には引越をされる予定です。 夕景の竣工写真の撮影タイミングを待っています。 夕景写真です。建物外観のディテールが消され光に包まれた玄関ポーチが人を誘導し、開口部からもれる内部の明かりが生活感をあらわしています。 設計事例 こちらもご覧ください 南砺市の家
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内玄関の手摺 南砺市の家

玄関とは別に、車庫から直接家の中に入る内玄関が家族の主な出入口になります。毎日、玄関の段差を上り下りするときのために手摺を設計時から計画していましたが、手摺の取付金物がデザイン的に違和感があって保留になっていました。他の金物を探すよりも製作した方が良いと思って、集成材で製作してもらいました。上框の位置に縦向きに取り付け、立っても座っても掴まることができます。
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電気が通りました 南砺市の家

照明器具も取り付けられて、電気も通りました。勾配天井の居間と寝室にはボール球の蛍光灯ペンダント。その他はLEDダウンライトです。 あとは、内部建具を取り付ければ竣工です。
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外構工事 南砺市の家

玄関廻りのジョリパット塗り、玄関ポーチの豆砂利洗出し仕上、車庫前の土間コンクリート打が順次進行しています。玄関戸と車庫の戸は製作が遅れ気味で、開口部はブルーシートで覆われたままです。 車庫は木製の吊戸です。床に埋め込むガイドレールに水が溜まっても排水できるように水抜きパイプを取り付けて、雨樋の排水に接続してあります。
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外壁ガルバリウム鋼板張り 南砺市の家

外壁ガルバリウム鋼板の一文字葺きです。 少しずつ春らしくなり、遅れていた外壁工事が再開です。窓廻りも、苦労しながら板金屋さんの丁寧な仕事できれいに納めていただきました。 建物の全貌が見えてきました。屋根・外壁ともガルバリウムで完全武装ですが、板金のハゼの折返しの手作業の痕跡や、軒裏や垂木などの所々見える木質の材質感が柔らかさを出していると思います。 コーナーの役物も、鱗状のジョイントが連続するように、サンプルで納まりを確認して施工してもらいました。順番に噛み合わせることによって、表にビスが出てこない納まりです。 正面の上部は立ハゼ葺きです。 外壁の立ハゼと、屋根の立ハゼピッチを揃えて、窓も割付を検討して、キッチリと納まりました。 雪止めアングルと、取付金物もガルバリウムのガンメタ色で仕上げてもらいました。
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大工工事進行中です 南砺市の家

外は悪天候ですが、内部の大工工事進行中です。 壁の断熱材はグラスウール100ミリです。防湿シートが間柱にかぶるように留めていきます。屋根断熱はフェノールフォーム保温板90ミリを垂木の間に入れています。窓枠の隙間は、ウレタンフォームを吹き付けてふさいでもらいます。 床下もフェノールフォーム保温板45ミリで、間柱の間にも切れ間無く敷き込んでいます。ここに断熱材が入っていないと、床下の冷たい空気が壁の中を通って寒い家になってしまいます。 壁・天井のボードを張る前に、電気配線も完了しました。 床暖房を設置して、フローリングも張られました。 内部の大工工事は、ほぼ終わりました。これから仕上工事です。
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建具・開口枠の施工図チェック 南砺市の家

大工さん、建具屋さんが実際に工事をするための製作寸法や施工方法を確認・検討するための図面です。施工会社から提出された施工図をチェックして、承認後に施工してもらいます。現場の工程がスムーズに進むためにも、施工図チェックは時間との勝負です。
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屋根工事完了 南砺市の家

仕事納め直前の晴れ間をねらって、年内に屋根板金葺きが完了しました。立ハゼ葺の先端テーパー加工もきれいに納まりました。 現場に向かう途中、立山連峰がきれいに見えました。
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屋根板金の納まり検討 南砺市の家

ガルバリウム鋼板屋根の立はぜ葺の端部納まりの検討です。 軒先がシャープに見えるように、ハゼ端部をテーパー加工するための施工手順等の確認を見本を作ってもらい検討しました。 板金のハゼが何枚も重なる部分は、折り曲げることが困難になるため、サンプルで確認しながら打合せをしました。
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床下の断熱と配管 南砺市の家

床下の施工状況です。根太の間にきっちりと断熱材を設置していきます。断熱性能に優れたフェノールフォーム保温板で床下の寒さをシャットアウトして、床暖房の熱も逃がさないようにしています。 床下の配管は、さや管ヘッダー方式の給水管(青)と給湯管(赤)です。それぞれの水栓まで一本の架橋ポリエチレン管で繋がっているため、途中の水漏れの心配がありません。