敷地選定の段階から相談に乗ってきた円光寺の家も、敷地が決定して無事に計画を進めることになりました。正式な測量図は、まだできていませんが、敷地の周辺状況の確認をしてきました。
道路から敷地の中を見た状況と、敷地の中から周囲を見た状況を撮影します。パソコンでパノラマ合成をするために、敷地の中央に立ち、少しずつ角度をずらしながら撮影していきます。設計中に敷地状況を思い浮かべるために、広範囲の連続写真にしておきます。(田んぼの中のようですが、草が生えた敷地の中に立っている状況です。)
iPadのアプリ『サン・サーベイヤー』で、太陽の位置も確認するため、太陽高度の一番低い冬至に日付をセットして、太陽の軌跡をカメラで撮影した画面に合成して見ることができます。今、はやりのAR(Augmented Reality:拡張現実)、iPadの現実世界の映像に、太陽の軌跡を重ね合わせて表示させる技術です。今までは、計画した建物のSketchUPの3Dデータに太陽光を適用して日射のシミュレーションをしていましたが、現地で直感的に確認できるのは便利です。周辺建物と太陽の位置関係が画像で確認できるためクライアントに対しても客観的なデータを示すことができます。下の写真から、道路向かいの建物をクリアして午前中から日射を得ることがわかります。
念のために、今日の日付にセットしてカメラをのぞいてみると、僅かな誤差ですがほぼ現実とARは一致しています。画面の黄色い軌跡と黄色い丸がARの太陽。画面の輝いている部分が現実の太陽です。
このアプリは、写真家が撮影のために日没の時刻や方向をシミュレーションしたり、太陽光の方向を確認するために使ったりするアプリのようです。地形と絡めて日没の撮影ポイントを事前に検討するのに便利そうです。
太陽の他に月の軌跡も確認できます。水色の線がARの月です。こちらも多少の誤差有り。GPSのキャリブレーションを厳密にすれば、もう少し精度が上がるかもしれません。
このほかにも、夕景の建築写真を撮るのにベストなブルーモーメントの時間帯や、天の川の撮影ポイントと方向など、カメラマニアに必要な情報が瞬時にわかる便利なアプリです。